第6話 図書館での大人の甘い出会い❤️

 ヘッケルト教授の講義が終わった後で、ヤーバス・ロダノ第139番 伍長ごちょうに、


「これから図書館に行って、基礎魔術の本でも探さないか?」

 

 と誘ったら、


「お前がジュナ・ヘッケルトと完全に手を切るまでは図書館には行かないことにする!」


 とキッパリ断られた。


 それを聞いて、この男と友人になれただけで転生してほんとによかったなぁと俺は少し感動してしまった。


 だって前世じゃ、こんなに俺のことを真剣に心配してくれる友人なんて一人もいなかったから。


「わかったよ」


 とだけ俺は言って、敢えて素っ気なくその時は別れた。


 度々暑苦しく感動していたら鬱陶うっとうしがられるんじゃないかと思ったからだ。



         ⚫



 その日の図書館には、ジュナ・ヘッケルトの姿はなかった。


 こんなことなら、ヤーバス・ロダノ第139番伍長とやっぱり一緒に来ればよかった!


 そんなことを思いながら、俺は本の貸し出しコーナーに、『みつ持ちでも早死にしない12の秘訣』と『メービラ・ヘッケルトの世界一よくわかる基礎魔術講座』(なんとヘッケルト教授は本を出していたのだ!)の2冊を持っていった。


 すると、それを受け取った受付の女性がこう言ったのだ。


「あら! あなた、今噂のジュナ・ヘッケルトの彼氏さんね! ええっと、『みつ持ちでも早死にしない12の秘訣』と『メービラ・ヘッケルトの世界一よくわかる基礎魔術講座』。なんかものすごく意味深な2冊ねっ! ・・・・・・もしかして、のお姉さんのことを誘ってる? それともジュナ・ヘッケルトの付き合ってることをその父親の本を持ってくることでアピってお姉さんを嫉妬で狂わせようって気?」


 その受付の女性は26、7歳くらいの水色のセミロングのストレートヘアと縁なし眼鏡の組み合わせが何とも知的で魅力的な美人。ちなみに胸はジュナ・ヘッケルトよりは小振りだが、といっていい大きさ。


「ヘッケルト教授に薦められただけです」

  

 と俺が少々戸惑いながらもキッパリ言うと、その受付の女性は、


「あんな胸が少しばかり大きいだけの二十歳はたちの小娘なんかより、お姉さんの方が君のことをすごーく甘えさせてあげられると思うんだけどなぁ。お姉さんは別に2番目の女でもいいけど、ジュナ・ヘッケルトより1回でも多めに愛してくれないと嫌よ! まだ若いんだから体力は有り余ってるでしょ?」


 とまで言って、最後に自分の名前を名乗った。


「ああ、アタシはテス・ハミン! テスお姉さんと呼んでくれていいわよ!」


「・・・・・・呼びません」


 と俺が勇気を振り絞って言うと、


「そう! 呼んでくれるのね!」


 と言って彼女はニッコリ笑う。


「・・・・・・」


「呼んでくれるのね!」


「・・・・・・」


「呼んでくれるのねっ!」


「・・・・・・はい」


 俺はだんだん怖くなってきて結局そう答えてしまった。


 すると、テス・ハミンは俺にこう言ったのだ。


「ありがとう! じゃあ、テスお姉さんがあなたのすごく都合のいい2番目の女になってあげるわね! ・・・・・・でも、ジュナ・ヘッケルトには絶対内緒よ! 秘密の関係ってすごく燃えるでしょ?」



※※※

第6話も最後までお読みくださりありがとうございます!


ここまでで、俺(ルーフェンス・マークス第142番伍長)のことを応援してやろう、もう少し見守ってやろうと思われたら、作品フォローや★評価をしてもらえるとすごくうれしいです!(応援コメントやレビューコメントもお待ちしております!)


【次回予告】

第7話 初体験!?💕


 俺(ルーフェンス・マークス第142番伍長)に初体験のチャンス(ピンチ?)が!

 どうなる? どうする? な第7話っ!

 

 どうぞ続けてお読みくださいませ

m(__)m



 


 


 

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