第三十五話 「бег(走破)」

"サアアアアアアアァァァァ―――――"


「オッヒョアアアアァァァッ――――!


 "ゴウナッ"!? 


 "ユキ"ッ!? "ユキ"ダゼッ


 コイツハヨォォォオオオオァァアアアッ!?」


「(うるせえな・・・)」


"バンッ!!"


「オヒョァアアアアッ


 ゴウナッ!? ――――ゴウナッ!?


 "ハシッテル"!? イマッ


 オレタチハっッ!? 


 "ハシッテル"ズゥェェエエエッ!?」


「(・・・・!)」


"だが、スサケフスキが叫ぶ気持ちも分かる"


「(確かに、この"バイク"――――)」


"スゥォォォオオオオオオオンッ―――――


河野は、雪の上を浮かび上がりながら


かなりの速度で走って行く、この乗り物の


ハンドルを握りながらその車体に


視線を落とす――――


「ピッ ピッ」


「(一応、速度メーターみたいな物も


  ついてる様だ・・・)」


「ピーーーーーーーー」


「・・・・」


極層、雪、そして森の様な


木々がまばらに見える荒野の様な雪の大地を


この乗り物の上に跨り走らせていると、


ハンドルとハンドルの間に置かれた


ディスプレイの様な物に、現在速度の様な物、


そして、よくは分からないが


何かの数値が淡い緑色に光っている....


「オヒョァァアアアアアッ!?


 オヒョアアアアアアアアアl6ツ」


「(気違いか、コイツは――――)」


「オヒョァアアッ ァアッ!?


 ァァァアアアアアアッ――――!!!」


「(・・・・)」


後部座席で叫び声を上げている


スサケフスキに苛立ちを覚えながら、


"乗り物"に跨り


暗い、雪の世界を駆け抜けて行く――――


「アアアアッ! アッ、アッ アッ!?


 ァァアアアッ....!!


 アアッ アアアアアアアッ


 ァァァアアアッ!? 


 ―――――ァァァアアアアアアアアっッ!?」


「(―――――)」


スウォォオオオオオオオオンッ――――――

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