第32話 野外演習にて②
「ぐ、ぐはぁ」
目の前で斃れる人族兵士。いや、騎士か?
この程度か。
「だが、ザレフは敗れた。彼奴も破壊魔法はかなり持っていた筈。何故ムザムザ敗れたのか」
「人族を甘くみるな。彼等が持つ『神聖魔法』は決してバカには出来ぬ」
高位魔族。いや、魔将と呼ばれる我等まで駆り出される。流石は勇者のうち建てた王国と言うべきか。
「王族に『剣聖』も生まれたとか。『勇者』に
「大魔王様に仇為す存在を、我等の手で」
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また王都で魔族の暗躍?
…ソーンの危惧がホントになってくよー。
さて野外演習なんだけどー。
アライズ殿下がねぇ~。
「左よりフレイベア!2頭‼︎」
「南東上空よりヒュージホーネットの群!」
森の、少し開けた所。
そこから沢へ降りようかと言う場所に
人間が押し入って来た!ってなったから?激怒して向かって来たのー。
それと同時に、私達をエサと判断したのか、
ココで間髪入れずに指示が飛ばないといけないんだけど…。アライズ殿下?
「ジオ!ギレン!フレイベアを押さえろ!クラリスは防御魔法を‼︎ソリアはその間に
「おう!」「任せろ!」
「わかったわ」「水よ、我が力となりて眼前の敵を撃て…」
「はーい、ミルキィにお任せ!いくよー、タラちゃん」
ウィルバルトの指示って、凄い的確。
しかも判断はえぇー!
「
ジオとギレンが足止めしてる間に、ソリアの呪文詠唱が終わる。
「魔物駆逐、確認!」
「ハチ、やっつけたよー」
「警戒移行!」
サーモンドが、
「右前方、多分340m程。オークかゴブリンの群、10数頭と思われる」
「よし、先制をかける。我が剣に集え、雷撃の刃となれ!」
抜いた剣が輝き出し、光が飛び散ると、それぞれが煌めく刀身となってく!
「
煌めく刀身が放たれ、やがて光の矢の如く魔物の群れがいるであろう場所に炸裂した。
ホントに凄い!
「ウィルバルト!いつの間に?」
「先日、スキルレベルが上がってね。魔力の殆どを使うから、1発しか撃てねぇ。だからとっておきの切札だよ」
私は空中からウィルバルトの横に降り立つと。
「コレ飲んでー。
薬瓶を渡す。
「サンキュー」
グビ、ゴックン!
「成る程。コイツさえ有れば何発でも撃てそうだ。助かるよ、ミルキィ」
「へっへー。コレが本分なんだよー」
私は錬金術師なんだからー。
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