第17話 特Aクラスの迷宮探索②

 学院にある練習用迷宮は、何と6つ存在するの。

 まぁ、どの迷宮に入っても能力レベルメンツに左右されるから一緒なんだけどねー。


 ミルキィ達、特Aクラスの3パーティはそれぞれに分かれ各迷宮を攻略する事にした。


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「フム。第1班はランクAで11階層。ウィルバルトの力量は、やはり飛び抜けている訳だ。そして、この上に3人もいる。今年度の特Aは本当に素晴らしい原石が揃いました。彼等をどう磨き上げるか?私の責任も重大ですね」


 子供達が入り、変化した迷宮を確認したジャック=シルバーは、その数値に少し驚嘆しています。


「第2班もランクA。こちらは10階層。それに…何と⁉︎第3班はランクAの15階層?これは記録更新ですね。首席トリオの実力は予想以上…、いや、ミルキィですね。彼女の実力は、既にランクB冒険者並。確かに単独ソロ探索等もしていたと言ってましたね」


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「はっ!」

 『刈取の大鎌』が魔物達を小間切れにしていく。


「おい、ミルキィ!俺にも少し残せ‼︎」

「後ろ、警戒!見てんのー?」


 先頭切って私は魔物達を薙ぎ払う。

 私達のパーティは、先頭に私。中にベンジャミンとクラリス、サーモンドが構えていて後方にジオがいる。


 迷宮探索で1番怖いのは後方襲撃バックアタックなんだから。攻撃力もだけど、パーティの盾となるべき騎士にいてもらうのが得策なんだよー。

 ジオも他のメンバーも、前衛と後衛しか考えてなかったけど、迷宮探索って魔導師は後ろじゃヤバいんだから。真ん中が1番安全なトコなの。


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 隊列の大事さは頭にあるつもりだった。

 だからジオが前面に出るつもりだったけどミルキィに反対された。

 守備力高い俺は後方。不意打ちにも盾となれる者が必要なんだと。

 実際、初っ端からゴブリンが後ろの陰になってる横穴から出て来て、俺達は不意打ちを喰らった。

 気付いたのは従魔タラ

 コイツの警戒声でミルキィが直ぐに背後へ跳んだ。そう、ミルキィの背にタラがいて、相変わらず翅を拡げたタラはミルキィの動きを妨げる事なく、まるでミルキィ自身に翅があるかの如く飛び廻ってゴブリンを屠っていったんだ。

 まるでミルキィの意思で飛び廻っているみたいに。


「すごいわ、ミルキィ。どうやって従魔に飛ぶ方向とか伝えているのかしら?」

「息ピッタリだ。多分、同じ動き、同じ敵を見てんだと思う…、けど…」


 目のやり場に困る。

 ミルキィは、その、スカートで飛び廻ってるんだ。それを俺達は下から見上げてる訳で。

 白いのがチラチラしてるし、急降下キックみたいな体勢の時はヘソまで見える位捲れ上がるんだよ。ったく、少しは乙女の恥じらいってのを持てってんだ。


「なぁ、クラリスからさ、彼奴にスラックス履くように言ってくれよ」

「言ってるわよ。でもミルキィ、持ってないの」


 あー。

 スカート以外を身に付けてる村娘って田舎じゃ皆無だよなぁ。農婦ならともかくだけど、それにしたって作業時だけだもんなぁ。

 彼奴がド田舎モンなの、忘れてたわ。


 とりあえず、ミルキィの撃ち漏らしを片付ける。

 手傷も負わねぇな。


 しっかし。

 流石、既にソロ冒険ぼっちやってただけあって手馴れてんなぁ。俺達も魔物討伐はやってたにしても、迷宮探索なんて初めてだし。


 迷宮に入った途端、ミルキィに飲まされたのは守備力UPの秘薬。何でも皮鎧1枚分程は守備力、アーマーポイント上がるんだそうだ。地味に助かる。皮鎧1枚余計に着込んでるのと一緒って聞くとね。この1枚が生死を分けるんだ。


 さて。

 そろそろ第2段階か?

 魔物の種別とランクが上がって来たぜ!

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