ぼくらが見上げるその先に……

「頑張るってなんだ？……生きるってなんだ？」誰もが何度も思い、自問自答を繰り返しただろう言葉……。それらに答えは無い。
どう受けいれ、どう昇華するかだろう。

若くして結婚した主人公のミキト(22)は、歳上の妻の彩弥と2人の子供に恵まれ、慎ましくも楽しく賑やかな日々を送っていた。
そんな1998年の1月。成人式の壇上で、純白の羽織り袴に身を包んだミキトの弟のアキトが、
緊張した面持ちで、それでいて誇らしそうに成人代表のスピーチを努めてた。その翌日は家族みんなで鍋を囲んだ。

その翌日、アキトは突然亡くなった。

その日を境に、家族に亀裂が生じはじめ、限りない欲と、悲しみが交差し始める。

その先にあるのは、何なのだろう。

※この物語は実話です。地名、所在地、登場人物の名前のみ仮名とさせて頂いております。