第24話 騒乱のヴァレンチ―と後悔のラヴレンチー
「う、うおおおお…!」
「
イガラシが水の
波打ち際で転がる
ガコガコ…!と音を立てながら
「フランシスカ
ワシは
とフランとアンネを
「任しとけ!」
アンネが前方にダダダッ!と走り出す。
フランもそれに続く。
立ち上がり始めたガイコツの一体にアンネが近づき、
「
と
パァン!
とガイコツの体が
「よし!効いとるぞ!」
イガラシが再び水を集め始める。
「
「
フランとアンネが立ち上がるガイコツを次々と
「
「
ミリアとティナはフランとアンネが
「
セレスの左手のひらから、ビシュッ!と光線が放たれたが、
ガイコツは特にリアクションも無くケロリとしている。
セレス、ベリエッタは
「しかし、十や二十という数じゃありませんよ!
この戦法で行くのは無理があるのでは!?」
ミリアが前方を
ガイコツは
「ワシも目が悪いからよく見えとらんが、分かっとるよ!
これは時間
今、空気と地面からも水を集めとるでな!」
イガラシが再び
「なるほど!
ならば、もう少し
ミリアがうなずいた。
「キャア!」
フランが再び悲鳴を上げた。
門の外でやられていた、この
「危ない!」
ガキィン!
兵士に気を取られたフランに向けられたガイコツの
かろうじてセレスが防ぐ。
「
ベリエッタも
「本体の
勇者
ベリエッタが言い、三人は共に階段をダダダッ!と
「…なっ!?」
上階に
この
ほとんどが動けなくなっていた。
「敵軍にも
セレスとベリエッタが
「
だが
ベリエッタが
門から見えていたガイコツ達は、本当に一部だったようだ。
その数は百や二百では足りない。
だが確かに、
「ベリエッタさん!あの円の真ん中!
二人ほど
セレスが指差す。
暗いのでハッキリとは見えないが、
銀色の
青っぽい色がチラチラ見えているのだ。
「敵軍には
ですが、こちらが
それどころか音もなく
フランに
「アンデッドを操っているのとは別の
うかつに近づくのは得策ではなさそうだ…。」
ベリエッタが下を向いてフゥー…とため息をついた。
「…だが、私は行くぞ。」
スッとベリエッタが立ち上がり、左手をガイコツ達の円の中心に向けた。
「…えっ?」
セレスとフランが言った
ビュオン!
ベリエッタの姿が消える。
ガキィン!
ガイコツの円の中心でベリエッタが青い
が、よく目を
ベリエッタが
もう一人の青い
つまり、こっちが本体なのだろう。
と、
ズガガガガ…!
ベリエッタの体が一気にガイコツの円の外まで
巻き
「ベリエッタさん!?」
セレスとフランが
ビュオン!
ベリエッタは、再びガイコツの円の中心に移動した。
ズガガガガ…!
ベリエッタが、今度はガイコツの円の反対側に吹き飛ぶ。
「ベリエッタさん!」
ビュオン!
スタッ!
ベリエッタが
「ぐぅ…。」
ベリエッタは上半身のどこかを負傷したらしく、
「ベリエッタさん!?大丈夫!?」
フランがすぐに
「すまない、助かる…。」
ベリエッタがフランを見て言い、続けてセレスのほうを振り返ると、
「敵のもう一つの能力が分かった…。
下の階に報告に行こう…。
聖女
と言った。
セレスは傷を
今度は階段をダダダッ!と
「
階段を下った二人の前に
「ここに石けんを一つ、と。」
イガラシが白い石けんを水の
「おいおい、ジジイ!
まさか、
『石けんでアンデッドを
なんて言い出す気か!?」
とアンネが最後の兵士の死体のほうのアンデッドを
「残るはガイコツだけじゃな!?
まあ下がって見とれい!」
イガラシが言い、
「ミリア
とミリアのほうを振り返りながら言うと、
水の
先ほどとは
本当にザブザブと石けん水で洗うような感じだ。
「承知しました!」
ミリアはうなずくと、
「ティナ、ラジュマス湖のことを覚えているかい!?
あの時のように、私の後方から風を
とティナに
「分かったわ!」
ティナもうなずき、ミリアの後方へ
「準備いいぞい!」
イガラシが言うと、石けん水は左右に分かれて行く。
取り残されたガイコツ達は、石けん水でツルツル
ティナがブワッと風を巻き起こした。
「文字通り、
まとめて消えてもらうぞ!」
ミリアが言い、右手をガイコツ達に向けて構える。
「
ボオオオオ…!
激しい
と、
バァン!バァン!…!とガイコツ達が、次々に
先ほどの
各部の骨そのものが粉々に
「どうなっているんですか…?」
セレスが思わず
「骨っていうものは、均一な構造じゃない。
中央に
そこに血液を
水が
水蒸気の圧力で
ミリアが左手の人差し指をピンと立てた。
「ただの水だと表面張力が強くて、うまく染み
石けん水にしたというわけじゃよ。」
イガラシも左手の人差し指をピンと立てる。
と、
門の前にそのままになっていた丸太がググッ…と動いた。
「おや?熱で変形を始めたかな?」
ミリアが言うと、
「いかん!下がれ!」
ベリエッタが
次の
ガ ズ ゥ ン !
丸太が、セレスとベリエッタのいる位置まで一気に
「…ッ!」
セレスとベリエッタは思わず飛びのく。
「がはっ!」
ミリア、ティナ、アンネ、イガラシは無事だ。
「どうなっとるんじゃ…?」
「敵の能力は、青い
青い
ベリエッタが叫んだ。
「その通りさ!」
いつの間にか門の近くまで来ていた、青い
「パパは
ラヴレンチ―と名乗った
ヴァレンチ―という名前らしい青い
周りに落ちていた他のガイコツ達の
カラン!カラン!…!と念動力で集め、
二本、三本、四本、…、と自分の周りにフワフワと
「なるほどのう…。
念動力で水と火も
イガラシが青い
「そういうことさ!」
ビュ!ビュ!
ラヴレンチ―が言うと同時に、
ヴァレンチ―が
ダダッ!と、セレスとベリエッタがミリアとイガラシの前に飛び出し、
ガキィン!ガキィン!
と飛ばされた
「
ミリアがラヴレンチ―とヴァレンチ―の二人に向けて右手をかざして
ティナとミリアが風と火を放つ。
ボオオオオ…!
「おっと!」
二人は、フワリと後方へ下がって
「チッ!」
ミリアが舌打ちした。
「危ない危ない…。
でもこんな風に、パパの
水も火も当たらな…!」
ラヴレンチ―が言いながら、
今度はヴァレンチ―と共にフワリと
ザブン!と石けん水に頭から
ミリアの
「ガボガボ…!ぷはーっ!ゲホッゲホッ…!」
ギュンと二人が石けん水の下へ
が、二人が出てきた
「
カッ!
セレスの左手から
「ぐわっ!」
二人は顔を背ける。
「
ボオオオオ…!
再びティナとミリアが風と火を放った。
バァン!
ガイコツのヴァレンチ―が
周りに
ラヴレンチ―は、火が当たる直前に左のほうの地面へズザザザ…!と移動していた。
「痛てて…!はっ!?
パパ!?」
ラヴレンチ―が上半身だけを何とか起こして、
弾け飛んだヴァレンチ―のほうを
「やられる直前に
『息子だけでも。』
と
泣かせるな。
だが…。」
ミリアが言うと、
ビュオン!
スパッ!
ベリエッタが
その首を切り落とした。
「しかし…、アンデッドになっても
目で物を見とるんじゃのう…。
イガラシがアゴひげをなでながら、
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