第12話 「勇気の心の根拠は?」
「預言者サムル様は、王である我には
戦いに出る為の勇気が足りないと・・・戦いへの参加を認めて下さらなかった。
王は我なのだぞ!!ダヴィデよ!お前はその事をどう思う?」
「サウジ王様!
人の勇気は人それぞれであり、立場や経験だけで判断する事ではなく、何の為に戦うのか?その目的や使命がはっきりしていないと、勇気というものは湧いてこないものだと思います!」
「ダヴィデよ!
お前は、まだ少年であるのに、王である我には勇気が足りないと感じるか?」
「サウジ王様!
私は多くの羊たちの世話をしてきました。
大切な羊をどのように扱うかで、羊たちの成長は異なり、信頼度は異なってきます。
羊飼いである私は、羊たちの泣き声で、全てを察知できます!
お腹が空いている時の声、眠くて仕方がない時の声、また狼が襲い掛かってきて、危険が迫っている時、群れから外れて、ひとりぼっちになり、孤独による泣き声は明らかに異なり、完全に聞き分ける事ができるのです!
私は、羊達を自分の子供のように大切に思っているのです。
家畜である羊を大切に思えるのなら、なおさら同族の苦しみに胸を痛めない訳がありません!我らアブラハ族の民はペリシテ国の圧政により、多くの傷を負い、命を奪われた民が多くいます。彼等の悲しみは羊の泣き声などと、比較にならず・・彼等の助けを請う叫びは天にまで届いているのです!
起源の主は、そのような彼等を見捨てたりはなさいません!
彼等を救いたい!と切に願っておられるのです。私には使命があります!だから勇気が湧いてくるのです!サウジ王様は!何の為に戦いに出ようとされるのですか?
民の苦しみを御理解下さい!そうすればおのずと勇気が湧いてくるでしょう・・・」
<この少年は・・・正しい事を言っている。我は、自分の保身の事しか考えていない。民への憐みの心だと?我に無いとでもいうのか?我は、預言者サムル様によって選ばれたアブラハ族の初代国王なのだぞ!我を舐めるな!!!>
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