第38話⁂最終話⁂


 セルフィッシュ星の有名占い師で、王族一族専属の占い師レオナが、ひょうたんの紐の形をした池に魚釣りに行った時に言っていた言葉。

 

 占い師レオナは、陽葵王を見た瞬間、驚きと興奮で自分を抑えることが出来なくなった。

「この娘は『セルフィッシュ星』に幸運を招く運気の星の持ち主だ」

 陽葵王にはどんな力が隠されているのか?


 実は…陽葵王は強力で縁起の良い力の象徴であり、幸運の象徴、更には…中国皇帝の権力と強さの象徴である神話・伝説の生きもの『龍』と、伝説の鳥で愛と平安の象徴である『鳳凰』を、ミックスした巨大で力強く何とも優美な生き物「ドラゴン鳳凰」を、強く念じる事によって生み出していた。

 

 その方法は「手に入れたいもの」に集中する事だった。

 

 実は…陽葵王前世で頑張り過ぎて、過労死で死んでしまったのだが、三途の川を渡る時に、何と……どうも…余程死にたくなかったらしく、命乞いをしていた。


「死にたくない!私に強力なパワーを、そして……愛と平安をお与えください」こう念じていた。

 

 すると何とも……けったいな生き物と言うか?何というか?とんでもない強力なパワーを持つ神々しく黄金に光り輝く伝説の生き物、中国皇帝の権力と強さの象徴である『龍』と、ゴージャスで美しい伝説の鳥で愛と平安の象徴である『鳳凰』をミックスした「ドラゴン鳳凰」が現れた。



 まぁ、それは……至極当然の事!


 陽葵王は、前世では努力に努力を重ねた善人中の善人でみんなのお手本だった。だから…当然善人が渡るとされる金銀七宝で出来た橋を渡ることが出来た。


 それでも…陽葵王は、日本人なのに……何で「ドラゴン鳳凰」が現れたかって……?


「龍鳳呈祥」(リュウホウテイショウ)とは、龍と鳳凰が同時に現れるという意味だが、中国では盆と正月がいっぺんに来るぐらい非常に奇跡的な事で、おめでたい事とされている。


「死にたくない!私に強力なパワーを、そして……愛と平安をお与えください」

 この言葉は、中国では伝説の生き物で『龍』と『鳳凰』の象徴を意味している言葉。


 日本人の多くは、先祖を辿ればひょっとしたら……色んな民族の血が……?

 どうも…陽葵王……先祖を辿れば……中国の血も紛れ込んでいた。


 そこで……神様が「龍鳳呈祥」である、龍と鳳凰が同時に現れたので、手っ取り早くくっつけちゃった。


 こうして「ドラゴン鳳凰」はいつもどんな時も陽葵王の側に、寄り添う事となった。


 『龍』姿の、上半身は黄金に光り輝き勇敢でなんとも凛々しい出で立ちである。頭はラクダのように歪で、勇ましいたてがみが生えている。更には…二本の角があり、顔が長く耳を持ち、目は鬼のようだ。口のあたりに長い髭があり牙も蓄えている。そして…喉元に逆さうろこが有る。


 それでは『鳳凰』の部分である首から下はどのようになって居るのか、それは…何とも優美で美しい事。三十六種の羽を持つ動物の長であるだけあって黄金色に輝き、全体的には孔雀に似ていると言われる。羽は黄金色に赤にオレンジに青のグラデ-ションが、なんとも華やかで色鮮やかだ。更には前方の胴体部分は青がかった 緑の羽に覆われ。尾は孔雀と何ら変わらない伝説の鳥鳳凰にふさわしいゴージャス感に溢れ、神々しいまでの美しさである。その煌びやかさたるや余りの美しさに、言葉にならない程である。 



※竜は「竜は龍の略字」西洋の伝説上の生き物、西洋では竜は悪の化身でドラゴンを意味するが、中には土地を侵略者たちから守るドラゴンもいる。

 東洋では龍は神聖な瑞獣で幸運の象徴、また中国皇帝の権力と強さの象徴でもある。 


 陽葵王は東洋人だったので「ドラゴン鳳凰」は、幸運の象徴、皇帝の権力と強さの象徴、愛と平安の象徴である。  



 ◆▽◆

 実は…陽葵王巨大フグ、怪獣と散々言われ、パッとしない、冴えない王様に映っていたが、この『セルフィッシュ星』が、ここまで栄えた大功労者だった。


 マリリンに狂い未だ行方不明の元王様時代は、只々奴隷のように働かされ貧乏にあえいでいる住民が多かったが、現在は宇宙一の発展星となった。


 それは……ひとえに陽葵王の尽力の賜物。


 陽葵王は恵まれない住民を見ると放ってはおけない性格で、人知れず黄金の「ドラゴン鳳凰」の背に乗り、五色に輝く煌びやかな「ドラゴン鳳凰」の羽、黒・白・赤・青・黄の羽根を一枚二枚と抜いて、恵まれない住民の元に出向き、唱えるだけで金運アップの『秘密』の魔法の呪文「トリンカファイブ」と五回唱えていた。


 魔法を使い、貧乏で住む場所が無くて野垂れ死にしそうな者には、ポケットに羽根を忍ばせたり、あばら家で食べる事にも事欠く住民には、こっそり台所の目立つところに羽根を置いたりしていた。

 

「ドラゴン鳳凰」の羽根は、住民が目にした途端に宝石や金貨に変わった。

 

 黒い羽根はブラックダイヤモンドに変わり、白い羽根は真珠に変わり、赤い羽根はルビーに変わり、青の羽根はエメラルドに、黄金の羽根は金貨に変わって、住民たちはいつの間にか、ヒモジイ生活から打破出来ていた。


 ◆▽◆

 題名「怠け者お姫様陽葵の秘密の冒険」

 何故こんな題名になったのか?


 まず「秘密」

 陽葵王は前世の「おこない」が非常に勤勉で努力家だったので、なんと……念じると叶う「秘密」の魔法の力が備わった。



それでは「冒険」が付いたのは?


それは……時々陽葵王の首筋の、ひょうたんの形をした赤アザと青アザが、不吉な光を放つ事があったが……?これは一体どういう事なのか?


赤アザが『セルフィッシュ星』に災害が起こり被害にあった住民が出た時に、不吉な光を放っていた。 

青アザが、他星に災害が起こり被害にあった住民が出た時に、不吉な光を放っていた。


 実は…陽葵王、財前六郎との間に王子が誕生した事によって、元夫山崎流星は格下げされてしまった。基本的に女王様に「側室」という事例は一度も無いので元夫山崎流星は「第一愛人」されてしまった。


 だから……陽葵王は離婚して、愛する夫財前六郎と結婚して、山崎流星を「第一愛人」にして、三人で協力し合い『セルフィッシュ星』や、他星に災害が起こり被害にあった住民の救済の為に一緒に出掛けていた。


 この巨大「ドラゴン鳳凰」に乗り『セルフィッシュ星』や、他星に災害が起こったら救済に出掛けていたのだが?

「ドラゴン鳳凰」の力は絶大で、見るも無残な災害現場も、この巨大で神々しく美しい羽を広げて振り下ろして、一網打尽で瓦礫の山を拾い上げ一瞬で埋立地に変えている。更には…下敷きになった住民も一瞬で救い出している


 更に「ドラゴン鳳凰」が、もう一振りすると、見る見るうちにビル群が立ち並び、元の景観が再現された。想像も付かない程の強力なパワーが備わった、まさしく強力で縁起の良い幸運の象徴「ドラゴン鳳凰」の力は絶大だ。


 それにしても……元夫山崎流星も格下げされたのに、よくノコノコと付いて行けたものだが?

 それはそうだが……例え……はらわたが煮えくり返って居ようと仕方ない。王様に盾突くなど以ての外。


 それでも…良く出来た男で、こんな仕打ちを受けたにも拘らず、以前と違って最近は健康管理を徹底した食事作りに専念している。

 

 その為、災害患者救済時に陽葵王に付き添い、重要なお役目である食事担当は山崎流星が担っている。

 そして…医師の夫財前六郎も一緒に災害患者の救護として、あちこちの『セルフィッシュ星』や、他星に出掛けて救いの手を差し伸べている。


 ああああ……そうそう……「冒険」ネ!

 だから……陽葵王は、財前六郎と元夫山崎流星三人で救済の後「冒険」とかなんとか言って宇宙中三人で旅行を、楽しんでいるって訳!テへへ(*^_^*)



 おしまい



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怠け者お姫様☼陽葵の秘密の冒険! あのね! @tsukc55384

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