第22話⁂ダイアナ妃の狙い!⁂


 夫であるチャ-ルズ皇太子がいながら、海底都市一の王国、ネバーランド王国のブラッド王子に出まかせを言って近付き骨抜きにして、金品や物資を根こそぎ奪い取る恐ろしいダイアナ妃。

 

 やがて……想像だにしない恐ろしい結末が……!!!

 

 ◆▽◆

 ダイアナ妃は海底都市最下層の王国である、マリン王国の二番目の姫として誕生した。

 このマリン王国は、相次いで他国から攻め込まれ侵略に侵略を重ねられて、それこそ地球で言うならバチカン市国ほどの領土になってしまった。 


 それではバチカン市国が一体どのくらいの領土であるか、説明しておこうではないか。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン〈USJ〉は、日本の大阪にあるテーマパーク。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン〈USJ〉面積0.39㎢ (8)

                           :

 バチカン市国・・・・・・・・・・・・・・面積0.49㎢ (10)             

 (8対10)という事は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン〈USJ〉の面積とバチカン市国の面積は、さして変わらない面積という事になる。


 ◆▽◆


 元々は巨大帝国を治めていたマリン王国の先祖王たちが長きに渡り、このマリン王国を守り通し築き上げて来た美しい巨大帝国だった。

 

 色鮮やかな熱帯魚や様々な魚たち、更には、サンゴや海藻類が生い茂る資源豊かな美しい海底都市だったのだが、やがて代が変わり、過保護に育てられた祖父や父が、すっかり正気を失い……不甲斐ない王様になり果てた。


 そして…侵略され続けて、それこそ地球で言うならバチカン市国ほどの領土になってしまった。


 甘やかされて育った先代王祖父がそうであったように、父である王もそれに輪を掛けた過保護王に成長してしまった。


 父であるバカ殿王様は、この様な状態に追いやられてものんきなもので「どうにかなるだろう?」と、のほほ~んとして危機感が一切ない。


 それは、母である妃が財産家の公爵家から嫁いだ身の上だったので、お金を工面していたので何とか、持ちこたえられていたのだった。


 最初は格上の王家へのお輿入れという事で、大層有頂天になって居た公爵家だったが、とんでもない誤算。母が願ってもない格上の王家に嫁ぐことで、公爵家としても鼻高々で送り出したのだが、しょっちゅう金の無心をする王家に不信感で一杯だ。


 こんな事情から、肩身の狭い思いをさせられ、更には……王である夫の不甲斐なさに、不安で一杯の母は度々隠れて泣いていた。


 だから…人知れず涙している母を見て育ったダイアナ妃は、貧乏だけは絶対にイヤだという事を、嫌と言う程思い知らされて育った。

 

 それなのに…ダイアナ妃は海底都市一の王国、ネバーランド王国のブラッド王子から、熱烈なラブコ-ルを送られていたにも拘らず、何故あんな貧乏なアクア王国のチャ-ルズ皇太子を選んだのか合点がいかない。


 一体どうしてなのだろうか?


 それが……どうも…このダイアナ妃とんだ面食いだった。

 

 実は…海底都市一の、王国ネバーランド王国からの縁談話が持ち上がった時は、これでやっと家族を救えると思い、思わず喜び勇んで「ラッキー!」と言って飛び上ったほどだった。


 お見合いの日も近付きオシャレに余念がないダイアナ姫。


「嗚呼、海底都市一の王国ネバーランド王国に、お輿入れが出来るなんて夢のようだわ~!どんなドレスを着て行こうかな~?」


 こうしてお見合いの日がやって来た。


 ◆▽◆

 ある日の事だ。

 ネバーランド王国の宮殿に招かれたダイアナ妃は、それはそれは豪華な一室に招かれて、今か今かとブラッド王子のお出ましを待っていた。


 すると暫くして王子が現れた。それはそれは凛々しく美しい第二王子トム王子が現れた。


 お見合い写真を見せられていたダイアナ妃は、少し写真の顔と違うトム王子に疑念を抱いたが、ほんの少しの違和感だったので一層の高揚感で一杯になった。


(ああああああ💛💛💛😍\(◎o◎)/!写真よりも実物の方がステキ~!ワ~嬉しい!)


 そう思って期待感一杯で喜んでいると……少し間をおいて…何か……異様に貧相な男が現れた。

(何よ?このチンチクリンのチビで…ブ男の気持ち悪い……やけに……にやけ顔のキモイ男?)


 実は…お見合い写真は、かなりの修正が施されていた。

 

 だから…よもや……こんなブ男がお見合い相手だとは、夢にも思わなかった。どちらかと言えばトム王子に近い修正写真だったので、てっきりトム王子がブラッド王子だと勘違いしていた。


 お見合い相手がまさか……こんなブ男でキモイ男とは夢にも思っていなかった。


 全く紛らわしい事を………。

 

 それでも…何故ブラッド王子も、ワザと引き立て役を連れて現れたのか?

 そんな事をすれば自分がかすんでしまう事は、分かりそうなものなのだが?


 …実は…ブラッド王子は、この海底都市一の美女と評判のダイアナ妃を、遠くから何度となく見て……絶対に、このお姫様を妃にと思い続けていた。


 だが……いざダイアナ妃と会う段階になって……緊張でいつもの癖であるドモリが、止まらなくなってしまった。そこで急きょトム王子に頼んだ


 実は…ブラッド王子なのだが……極度の緊張に合うと…極度のどもりが出てしまい上手く話せないらしい。


 余りの美しさに胸が破裂しそうなので、弟で第二王子トムに「緊張して上がって話すことが出来ないから、代わりに俺の気持ちを伝えて欲しい」と頼んでいた。


 美しい第二王子トムの横に座ったチンチクリンのブ男、ブラッド王子は、緊張で話す事も出来ない。

 何か……いやらしい目付きで、にゃ~っと笑う変態チックな風貌に、絶対に結婚はありえないと確信したダイアナ妃。


 こうして逃げる様にマリン王国に帰ったダイアナ妃だった。


 それは分かったが、それでも…何故貧乏王子チャ-ルズ皇太子と結婚したのか、あれだけ貧乏で散々辛酸を舐めさせられて来たというのに……。


 ◆▽◆

 このダイアナ妃は、実は…非常に野心家で知的な女性。


 アクア王国のチャ-ルズ皇太子の事は愛しているが貧乏。

 

 一方のブラッド王子は、魅力の欠片も無いキモイ、ブ男だが、お人好しで愛する女の為ならどんな事でもする男。

 

 ましてや運の良い事に、ネバーランド王国の王様は、不治の病で余命いくばくも無いらしい。


(あの優秀な王が死んでしまえばウッフッフッフ~!わたくしの.:*:・'°☆💖💋うっふ~ん💛💛💛💋この魅力でブラッド王子を骨抜きにして、ネバーランド王国を侵略してしまおう。そして……まずは……わたくしが嫁いだアクア王国を発展させて……そして…わたくしの……愛する王国マリン王国の発展にも力を注ごう……)


 ブラッド王子をメチャクチャにする、この恐ろしいダイアナ妃


 ※王と貴族の違い

 その国の全てのものを所有している人が王様。

 貴族は王様から領地を与えられた人。


 王様になる可能性がある一族が王族。

 王様や国に認められ特権階級の人々が貴族。


 爵位:【貴族の称号を序列化したもの】

 公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵

 






 

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