第23話⁂兄と弟の戦い!⁂


 ダイアナ妃は魅力の欠片も無いキモイ、ブ男だが、お人好しで愛する女の為ならどんな事でもする男ブラッド王子を利用してネバーランド王国侵攻を狙っている。


 それが…何とも…運の良い事に、ネバーランド王国の才知に満ち溢れた王様は、不治の病で余命いくばくも無いらしい。


(あの優秀な王が死んでしまえばウッフッフッフ~!わたくしの.:*:・'°☆💖💋うっふ~ん💛💛💛💋この魅力でブラッド王子を骨抜きにして、ネバーランド王国を侵略してしまおう。そして……まずは……わたくしが嫁いだアクア王国を発展させて……そして…わたくしの……愛する王国マリン王国の発展にも力を注ごう……)


 ◆▽◆

 

 結婚して分かった事だが、環境が悪く辺境の地だったこのアクア王国は、資源にも恵まれず四苦八苦の生活を余儀なくされていた。


 それでも…ダイアナ妃は、愛する夫チャ-ルズ皇太子を助けようと必死だ。

何とか、夫チャ-ルズ皇太子と協力して、アクア王国の発展の為に頑張ろうと必死に模索している。


 そんな折に頻繫に魅力の欠片も無いキモイ、ブ男だが、お人好しで愛する女の為ならどんな事でもする男、ブラッド王子からの度重なるアプローチに、とことん利用してやろうと思い付いた。


 こうして愛する夫チャ-ルズ皇太子がいながらダイアナ妃は、ネバーランド王国のブラッド王子を骨抜きにして、密会を繰り返して行った。


 ブラッド王子にすれば……ただ遠くからただ見るだけの、余りにも美しい……高嶺の花、愛しい女性だったダイアナ妃を、そんな女性を……やっとこの手に……あともう少しで……あの美しいダイアナ妃を我がものに……完全に溺れ切っているブラッド王子は…どんな事をしても、ダイアナ妃との結婚を望んでいる。


「ダイアナ妃どうか頼む、チャ-ルズ皇太子と離婚して俺の妻となってくれ!」


「わたくしも💛💛💛うっふ~ん💋💋💋ブラッド様を愛しておりましてよ~ブチュ💋……それでも…わたくしもブラッド様と一緒になりたくても……チャ-ルズが黙っちゃいませんわ……でもね……ひょっとして……それこそ……それこそ……大金を積めば……夫チャ-ルズも……首を縦に降ると思いますわ~!……だって……アクア王国は財政難で非常に緊迫しておりますから……」


「……そうか?お金なんぞ……お安い御用だ……ダイアナ妃と結婚出来る為だったらなんでも致すぞ―――ッ!」


 こうして国難を逃れるために、チビリ……チビリ……色仕掛けで、ブラッド王子からお金を引き出させていたダイアナ妃だった。


 もうダイアナ妃しか目に入らないブラッド王子だったが、チャ-ルズ皇太子よりも五歳年上で、ダイアナ妃よりも十歳も年上の三十五歳のブラッド王子は、ネバーランド王国の王様から結婚の、矢の催促をされている。

それも様態の思わしくない王様たっての願い。


 そこでダイアナ妃に改めて、一刻も早くチャ-ルズ皇太子と別れてくれるよう頼んだ。


「ダイアナ妃一刻も早く、チャ-ルズ皇太子と別れてくれ!そして…俺との結婚を……」


「分かっておりますわ!わたくしだって~💖ブラッド王子と一刻も早く結婚したいと思っていますのよ~💛💛うっふ~ん……だけど……それどころじゃない事は、ブラッド王子が一番よくご存じの筈。わたくしの国アクア王国では、年間の死者が増え続けている現状化……どうして……そんな妖精や人魚や魚たちを見殺しに出来ましょうか?……もう少し……もう少しお待ちください!」


「分かった!私も全面的に、金銭や物資の支援をする!」


「……そこで……そこで……相談なんですが?離婚しても半年間は結婚が出来ないので……様態の悪い王様が、そんなに結婚をお急ぎになるのならば……誰か……別のお方と……戸籍上だけの結婚をすれば良いではありませんか?そうすれば王様も安心して、やいの!やいの!言わなくなると思いますわ~。……わたくしも愛するブラッド王子との結婚に向けて、急ピッチで離婚に向けての話し合いを、チャ-ルズ皇太子と話し合いますから💛💛うっふ~んブチュ💋」


「本当に……?本当に……?信じて良いんだな!」


「当たり前ではありませんか💛💛うっふ~んブチュ💋」


 こうしてブラッド王子は愛の無い、仮初めの結婚をしてしまった。


 それでも…やがて姫が誕生した。それがメアリー姫だった。

 丁度その頃、ネバーランド王国の王様は、長い闘病の果てにあの世に旅立たれた。



 ◆▽◆


「兄上最近にわかに、アクア王国が勢い付いておりますが、そこで……そこで……妙な噂を耳にしたのですが、それは……兄上がアクア王国のダイアナ妃と密通しているという噂、更にはそのダイアナ妃に騙されて、我が国の重要拠点である資源の生い茂る海底デリシャス・シーウィード地区がアクア王国に完全に奪われているという事実、これは一体どういう事ですか?」

【デリシャス・シーウィード地区;この海底の妖精や人魚たちの食糧は主に海藻類。ネバーランド王国一の海藻が生い茂る地区〈昆布、ワカメ、海ぶどう、アイリッシュモ(海藻)、海苔、スピルリナ(植物の藻類)等々〉】


「嗚呼、そうだが……それがどうかしたか?第一あんな辺境の地ではアクア王国が余りにも気の毒でな~、それでダイアナ妃に頼まれてデリシャス・シーウィード地区を譲ってやったのだ。良いではないか?わが国には色んな資源が沢山あるのだから…」


「兄上完全に騙されていますって、目を覚まして下さい!目を!あのメギツネに完全に完全に騙されております。本当にいい加減に目を覚まして下さい。兄上ひょっとして……他にも奪われている地区が有るのではありませんか、言って下さい!言わないのであれば兄上を海底戦犯に掛けて、このネバーランド王国から追い出します」


「何をぬかすか?私はこのネバーランド王国の王様だ。お前にそんな権限などない!」

「バカも休み休みにして下さい!この国の主要大臣たちは兄上に呆れ果てて兄上を失脚させて、私を次期王にと皆願っている現状化、兄上がこのネバーランド王国で生きて行く場所など何処にもありません。サッサとこの海底から出て行ってください!」

 

 こうして兄と弟による海底戦争が巻き起こった。


 ◆▽◆



 海底都市に巨大な大津波が起こった。凄い水しぶきと共に現れたのが誰有ろう、次期王と目される第二王子トム王子。あらゆる海の生物を操ることが出来る、このトム王子が合図を送る。


「皆の者、ブラッド王の城を攻め込むのだ————————ッ!」


 合図を送ると一斉に、水の妖精や人魚の群れがサメやシャチ、イルカなどに乗って槍や水中銃を片手に兄ブラッド王の城目掛けてに突進して行く。


 巨大サメに乗って海底から時速100キロ近いスピードで攻め込むトム軍の侵略で幕を開け、追い詰められるブラッド王軍。

 海中を巨大サメに乗って、自由自在に駆け巡るトム王子の、迫力あふれる海中バトルシーンで幕を開けた海中バトル。


ブラッド王も超スピードで潜水艦から弾道ミサイルで爆撃している。

更には…巨大なウツボやシャチを率いて現れたその迫力は、まさに「海中最強の生物」と呼び声も高い「海のギャング」そのものだ。


【ウツボは、細長く円筒状の体をしており、体長は80cm~1m前後の魚。

黄褐色と黒褐色の特徴的なまだら模様で、尖った口は目の下辺りまで大きく裂け、鋭い歯と力強い顎を持っている。見た目もすごいが、獰猛な性格の持ち主で、暴れると手に負えないことから海のギャングと言われている】


【シャチは「海で最強の生物」と呼び声も高く「海のギャング」と怖れられている。ホホジロザメよりもスピードも持久力も知能も高い狩りの名手】


 トム王子軍団も負けてはいない。トム王子指揮いる、巨大なタツノオトシゴが群れを成し現れドラゴンのように暴れ出し、傍若無人に海底を暴れまくり、牙をむき出し海底を粉々に打ち砕き破壊して行く。更には天空を翔け巡り、その巨大な大きく裂けた口から炎を吐き出し、海底都市を火の海に変えて行った。


 こうして、とうとう軍配は弟トム王子に上がった。一時期ネバーランド王国大半を征服したかに思えた弟トム王子だったが……⁈



 戦争は終結したかに思えたが……だが……あの恐ろしい魔物……ダイアナ妃の陰謀でさらなる展開が待っていた。







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