第51話 知らぬは本人のみ

男性スキルホルダーに関して言えば、街で見かけた好みの女性を連れ帰って好き勝手してもいいのだ。

 何て男にとって都合のいい制度なんだ。

 そして女性スキルホルダーはもっと事情が違う。

 兎に角スキルホルダーとの間に子を成さねばならない。


 よくわからない統計ではスキルホルダー同士で子を得られれば、高確率で子もスキルホルダーになれる、とされているからだ。

 この国は昔と違い、男尊女卑が酷すぎる。

 大昔に戻ったというべきか?

 少し昔は一応男女平等をうたっていたし、建前ではそうだったようだが今は違う。


 前置きが長くなりすぎたが、そんなスキルホルダーと常に接しているスキルホルダー関連機関の職員は、身勝手過ぎるスキルホルダー(特に男性)に嫌気がさしている。

 スキルホルダー関連機関の職員の90%は女性と言われており、スキルホルダーの目に付きやすく、職員の入れ替えは相当激しい。

 何故激しいかは想像に難くないと思う。


 まあそんな訳で職員のスキルホルダーに対する感情は非常に悪い。

 実の所スキルホルダーに抱かれ子を成した女性は、生活はずっと安泰と言われているようだがそんなのは嘘だ。

 最初だけだ。

 まあスキルホルダーが親の場合、若しくは身内が居れば通常より高確率で子もスキルホルダーになれる可能性があるので、ほんのちょっぴり助成金が出るのだ。

 だが、その後子を育てる女性はシングルマザーとなってしまうので、実際の生活は厳しい。


「誰か何とかしてくれないかしら。」

「私達は政治活動まともにできないもんね・・・・そう言えば最近ハンターからスキルホルダーになった人がいるって聞いたけれど、どうもハンターの地位向上を常に訴え、色々な意味で優秀らしく、しかも1人の女性だけを娶った常識人という話ね。何やらやってくれるって噂よ?」

「知っているけれど何よ噂って?」

「総理を内閣総辞職に追い込んだ張本人で、しかも政界に進出し与党のリーダーを目指しているんだとか。」

「あー何やら旧時代の遺物を修復し、最近街に設置されたあれね。デカい画面に動画を流しているって話ね。」

「そのメインは総理が件の男性に酷い扱いをし、墓穴を掘った【記憶】スキルを何だっけ?遺物って大型画面だったかしら?そこに毎日流しているとか・・・・」

「この時期に何やっているんだか。だから三世は嫌なのよね。」

「四世じゃなかった?」

「どちらでもいいわ。それより、期待しちゃうね!」


 岩ケ谷俊成、自身の知らぬ所でいつの間にか政界へ進出する事になっているらしい。


●  作者からのお知らせ  ●


ここまで読んで下さりありがとうございます。

ここで残念なお知らせを致します。

私の力不足で、当作品をこれ以上更新しても今後読者が増える見込みがなく、執筆を続ける事を断念せざるを得ない事態となってしまいました。


更新を楽しみにして下さった皆様には申し訳ありません。


なお、帯野海智と竹嶌一樹をそれぞれ主人公とした話も進めておりましたので、そちらは新作としてストック分だけ投稿します。


ここまでお付き合い下さり感謝です。

本来この後は政界進出と共に、世界に打って出る展開になるはずでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カードdeバトル? よっしぃ @egu-tyann

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ