リーダーシップ
第47話 俺が戦う前に終わっている件について
以前、蛇と戦った場所とは正反対の方向に大型生命体が出現した。
スキル学校から近いとはいえ、10キロは離れている。
【韋駄天】スキルを使えばものの数分で到着する。
元ハンター、今はスキルホルダーとなった精鋭?達40名程が移動していく。
最初にヒトバシ・・・・ゲフンゲフン、実験に付き合った連中が更に次のチャレンジャーの面倒見てくれて、その数はどんどん増えている。
他の場所への戦闘もあるので、今こうして付いてきてくれたのは40名程。
到着し、いざ戦おうと目的地に着いたはいいが、何もいない。
まさかと思うが小さめの種類か?
周囲を探してもなかなか見つからない。
そう思っていたら、何か白い糸のようなのが見えた。
く、蜘蛛?
うわ、蜘蛛って蜘蛛の巣をそこら中に張り巡らせるので、厄介なんだよな。
蜘蛛の糸って方向があるらしく、蜘蛛は自ら触れても大丈夫な方向しか触れないので引っかかる事はないが、俺ではその見分けができても実際細すぎてどうにもならない。
普通の蜘蛛であれば、蜘蛛の髪の毛にくっついてうっとおしい程度だが、このサイズになるとそうもいかない。
大型生命体ともなれば蜘蛛の糸は太さ以上に強度があるらしく、うっかり皮膚に触れると切れてしまう程だ。
焼くか切るか。
そして今回の蜘蛛は大きさこそ小さいが、数が多いようだ。
油断すると囲まれてしまい、普通の大きさでは考えられないが10匹程に囲まれると一気に糸まみれの攻撃を受け、僅か10秒程で身動きができなくなってしまうという、見た目の大きさと違い恐ろしい存在だったりする。
だがそれも事前に準備さえしておけば、何て事はない。
アルカリ性の液体を蜘蛛の糸にかければいい。
これは単に蜘蛛の糸は主成分がタンパク質だからだ。
ついでに言えば魔力を込めておかないと意味を成さない。
大型生命体になる前の生命が生まれ持つ弱点であろうと、魔力がこもっていないと何の効果も得られない。
俺達ハンターはスキルを駆使して戦うが、スキルを使用するには魔力を消費する。
できうる限り魔力の消費は押さえたい。
だったら工夫すればいい。
相手の弱点を突く。
今回はアルカリ水という訳だ。俺はそもそも蜘蛛が相手の場合、糸に触れないよう注意しているからアルカリ水は持ち歩かない。
得物で切ってしまえばそれまでだしな。
それに魔力は前もって込めておけるので、非常に有用なのだ・・・・準備していれば、の話だが。
それより厄介なのは液体を吐き出す大型生命体だ。
特に粘着物質。
あれにやられると最後は【浄化】カードのお世話にならないとどうにもならない。
まあ蜘蛛ってみた目で苦手って人は多いようだが、俺もそうだったりする。
小さいのはまあいいのだが、手のひらサイズのを見るとぎょっとする。
まあ人間サイズになるとそれどころではないのだが、幸いな事に俺はそこまでデカいのと戦った事はない。
そして蜘蛛は蜘蛛の糸を張る事で他の虫等を捕まえ、捕食する。
今回のターゲットが人間だったのかどうかはいざ知らず・・・・そういう訳ではないな。
今回蜘蛛が出現したのは人がおびき寄せたりとかそのような事が切っ掛けではないはずだ。
案の定蛾や蝶が引っかかっている。
大型生命体となってしまった蝶は厄介だ。
鱗粉があるからな。
あれも肌に触れると碌な事が無い。
尤も長袖長ズボン、フルフェイスのヘルメットで挑めばある程度回避できる。
俺はつい他所事を考えていたが、驚く事に戦闘は終わったようだ。
あーやってしまった感が半端ない。
まさかの考え事による戦闘参加できず状態。俺がどうすべきか考えを巡らせていると、
「師匠!終わりました!」
「先生に守られながら戦うのは緊張しました!」
「私達に挽回のチャンスを与えて下さり、感謝に堪えません!」
うん?何の事だ?そして戦闘が行われていたのは聞いていたのと違う場所だった。
後で知ったが、どうやらストライキで自分達の権利を主張したはいいが、そのせいで一般人に多大な迷惑をかけた事に責任を感じ、最近は今まで以上に大型生命体と戦っているらしい。
そして俺を困惑させたのは、どうやら俺がここへ戦闘をしに向かっているというのを知り俺が直接戦うのを何としても阻止したかったようっだ。
何で?
「え?そんなの決まっているじゃないですか。我々を導いて下さるリーダーに何かあっては大変ですから!」
「期待しています!」
いや待て何を期待しているんだ!
● 作者からのお願い ●
ここまで読んで下さりありがとうございます。
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