第45話 そもそも何で失脚したんだ?
あれから色々確認した。
真っ黒な総理。
そして、どうして失脚したのか。
これに関しては驚いた。
俺は気が付かなかったんだが、一樹すら気が付かなかったらしい。
何の事だと思うかもしれないが、つまり俺と総理のやり取り、これを一部始終全て【記録】されていたというのだ。
それも動画で。
だが動画を見る事の出来る機器は発掘し修復させないと動かないので、一般人の目に触れる機会はまずないはずだ。
だがどうした訳か大量の機器が各ハンターギルドへ納入されたというのだ。
しかも魔石をエネルギーとして動く現在仕様に改造された製品が。
そして目立つ場所に大型スクリーンという名で、動画を映し出す事の出来る大型画面を設置。
そこで繰り返し総理の愚行が流されていた。
そしてハンターの日常と現状、そして総理がやらかした愚行の被害者・・・・それ俺じゃね?
そう、その映像が繰り返し衆目がある所で流された結果総理は失脚、内閣総辞職に追い込まれ、更に解散総選挙に・・・・で、映像で総理を決定的に追い詰めたのが俺で、まあ逆恨み的に俺を始末しようとハンターへ命令したらしい。
だがそんな命令を大人しくハンター達が履行するはずもなく。
どうやって従わせたかと言えば、家族を人質に取り無理やり俺を襲わそうとしたらしい。
いやもうそれ一国の総理がする事じゃないし?え?解散しちゃったから総理じゃない?さよですか。
俺が動画を流出させた訳でもないし、撮ってもいない。
何せ映っているのが俺なんだからな。
たまに一樹も映っていたようだから、一樹も関係ない。
俺被害者じゃね?その被害者を更に襲わせるとか、もう駄目だねえ。
あれ?なんであの時俺本人と認識されなかったんだろう。
ハンターギルドの受付女性であればああいった映像はチェックするだろうし。
そして俺は一樹に撮影させつつ、誰か監視が居ないかそれとなく調べてもらっていた。ハンター達がかたくなに喋らないのは何処かに監視があるからに違いない。
それとも装備か?装備はそもそも俺が全部取り上げているから関係ないが、まさかこの中に混じっているのか?
うーん、色々分からないだらけだ。
俺と一樹が居なくなった1ヶ月の間に何があった?
注:スキル学校で他の人々に1週間の苦行をスタートさせて、そのまま放置した前科あり
俺が悩んだりしている間に事態は進展し、意外な形である意味解決する。
・・・・
・・・
・・
・
尋問が一段落つき、さてこの20人をどうするかと考えていた時、新たに多数の人がやってくるのを一樹はいち早く気付いて俺に教えてくれたが、どうやらあちらさんはこちらを元から分かっているのか、迷う事なくここまで一気に詰め寄ってきた。
そして・・・・
「おおおお!!!岩!!!!じゃない岩ケ谷先生!!!!!!」
むさ苦しいおっさんに抱き着かれた。
「キモい!抱き着くんじゃねえ!」
「おい!いくらなんでもそれはないぜ!ほらよく見ろ!仕立てたばかりの、つまりオニュウの服だぜ!」
問題児佐久間菊次郎だった。
「何しにここへ来た?というかその格好は何だ?」
あの菊次郎が身綺麗にしている。
最初は菊次郎と分らなかった。
何せ菊次郎は常に無精ひげを生やしていたからだ。
それが今や綺麗に剃っている。
元々ハンターとして活動している時、無精ひげを放置している事が多く、そのせいで余計近づきたくない容姿になっていた。
それが今やこざっぱりした壮年のおっさん、いやそれなりにイケてそうなおじさんと化している・・・・あの菊次郎が!
そして気が付いた。
今ここに集っているのは、俺達が出奔する時に1週間の苦行を行っている真っ最中だった連中だ。
「男女総勢20名。全員だよな?」
「女性は全員そうだけど。」
一樹がそう教えてくれた。
俺も確認したが、間違いようがなかった。
「私達成功したんです!竹嶌先生!私達もうハンターじゃないんですよ!」
「そうなんです竹嶌先生!もう大型生命体と戦って肉体的、精神的な消耗から解放されたんです!!」
女性陣は一樹に感謝しているようだ。
つまりスキルが発現したって事だな。
「岩ケ谷先生に言われた通りに進めていたんですが、いやあマジ凄いっすね!そのお陰で色々やったんっすが、それがあんな事になるなんて誰も思っていなくて。まさか国を動かす事態に発展するなんて、そこまでは想像していませんでしたよ!」
「何があった?」
聞けば壊れたスクリーンを発現した【修復】スキルで修復したらしい。
その後改造したモニターを【複製】スキルで複製しまくり、都市中に設置したんだとか。
成程ある意味犯人はこいつ等か。
「忘れていましたが、このカードを使えば総理の犬が誰かすぐわかりますよ。」
犬に失礼だろうが、と思ったが、【自白】カードだった。
何だよこれ。
流石に知らないぞ。
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