第34話 三つ巴の話し合い
俺達は場所を移動した。
帯野さん達が居る場所だ。
俺と一樹には女性職員が数人付き従っていて・・・・先程の書類、そして案内も彼女達がしてくれた・・・・彼女達も付いてくるのでそれなりに大所帯となってしまう。
折角帯野さん達が気を利かせてハンターギルドとの話し合いの場を設けてくれたんだ。
それを上手くだなあ、と思っていたが予想より早く国の機関が来たんだなあこれが。
だが収穫はあった。
ハンターギルドから人選を行い、人柱を送るそうだ。
元々ハンターの場合、失うものはない。得るだけだからな。
失敗してもハンターのまま。
成功すればスキルホルダー。
危険と隣り合わせのハンター業をしなくて済むチャンスを逃すはずもない。
だが全員一度に行うと、大型生命体=外来生物が魔素にあてられ?大型化したと思われる・・・・が街中を破壊しまくったり人を襲ってしまうので、その対応がある故にそれはできない。
なので為人を見極めてから少数を実験に挑ませる事で一応話はついた。問題は一般人だな。
これは今から来る人達との話し合い次第だ。
・・・・
・・・
・・
・
会議室のような場所へやってきた。
円卓の机だな。
20脚ぐらいの椅子が置いてある。
既に帯野さんと2人のパートナー・・・・誰だっけ?
西柳 美心さんと沢中 花怜さんだ。
この2人が帯野さんを挟んで座っている。
更にそれぞれ養護教諭の天樹 真瑚さんと職員の藤記 果南さんが座っている。
全員帯野さんとはパートナーになっているらしい。
それと後ろには各々の世話役?な職員が控えている。
これだけで10人とか。
で、俺と一樹が椅子に座り、後ろには職員が控えている。
直ぐにハンターギルドの2人と、国らやってきた2人も座った。
つまり椅子には11人が座っている。
ああ、校長も着席しているし、他にもスキル学校の職員が着席しているようだ。
ざっと15人。
まあ人数はどうでもいいんだが。控えている人も含め20名を超えている。30名か?
いちいち振り返らないのでよくわからない。
俺は話が長引くと考え、後ろに控えている全員の椅子を無理やり持ち込ませた。
そして座らせた。
ジーっと突っ立っているのって、かなり足腰に負担が来るんだよ。
何人かが渋っていたので、
『いざという時に足が動けないと意味がないだろう?だから座っておけ。そして適度に動かしておくように。』
しっかりとくぎを刺しておいた。
ふくらはぎとか、血行が悪くなるからイザという時動けないんだよなあ。
・・・・
・・・
・・
・
全員揃ったようで、スキル学校の職員が進行役をするようだ。
司会が言い終わるや否や、国を代表してきた2人のうち、男性が挙手をした。
女性の方は心ここにあらず?みたいな、なんで私がこんな場所に、みたいな感じで一寸可哀想だったりする。
「私はスキル庁からやってまいりました柊木と申します。いくつか確認したい事があります。先ずは大まかに、その後細かい話となります事御了承願いたく存じます。ではまず・・・・」
まあ予想通り、俺と一樹が元ハンターで、今はスキルホルダーである事実の確認。
次に総魔力量の確認と、スキルの所有数を確認してきた。
既に俺と一樹のハンター→スキルホルダーは報告が行ってしまっているので今更隠しても仕方がない。
なのでそこは正直に話した。
例によって他言無用・・・・今回は一般人に知れ渡らないように、との念押しだが。
一通り結果を知ったスキル庁?の柊木さんは次に突っ込んだ事を聞いてきたが、これに関しては帯野さんから報告を待ってほしいとお願いに近い形で情報封鎖となった。
「申し訳ありませんが、まだ実験段階なんですよ。皆さんの中に知っている方もいると思いますが、昔の都市伝説にこれをこれだけやればスキルホルダーになれる、というのがあって、それを実践しただけなんですが、条件もまだはっきりしないので断言できないんですよ。ついでに言わせてもらえれば、ハンターでスキルホルダーとなれたのは未だこの2人のみ。そもそも実験は2人しかしていませんから、ハンター全員が成功するのか、たまたま2人だけ成功したのかもまだ分からないんですよ。」
「それは実に興味深いですなあ。しかし、一般人が実行すればどうなるのか、私共と致しましてはかなり興味がありまして、可能でしたらこちらの職員が人柱となる準備ができておりましてね。」
え?聞いてないよ?みたいな顔をしている女性官僚。
「ちょ!一寸!待って下さい柊木課長!」
柊木さんは課長らしい。
「折角なんだ、やってみなさい。」
「もしハンターどまりだったらどうしてくれるんですか?この年齢でハンターになっても私生き残れませんよう!」
若く見えるが童顔なのだろうか?
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