第13話 凄まじい成果

 安定の外骨格獲得法。

 その後外骨格を【収納】カードを用い収納した。

 これ、かばんに【付与】できないだろうか?

 いちいちカードを使うのが大変だ。

 好きな時に物を出し入れできれば効率がいい。


 スキル学校に【収納】スキル持ちの少女、女性と言うべきか?確か【収納】スキルを所持しているのは沢中 花怜さわなか かれんと呼ばれていたっけ。


 【凝固】スキルの女性は西柳 美心にしやなぎ みこ


 そして【抽出】スキルの帯野 海智おびの かいち

 3人共俺の知っているスキルの持ち主だが、何だか違う。

 そう、教えられたスキルの内容と若干違いがあるんだ。


 特に【抽出】スキルだ。

 今まで魔物の水分を【抽出】するスキルと教えられ、実際そのように使って来たし、誰もが一度は水分以外を【抽出】しようと思うだろう?

 今回のようにインセントの外骨格を【抽出】できればどれだけ戦いが楽になる事か。

 だが使用方法と使用した時の効果に違いがあった。


 何せ今までの【抽出】スキルであれば直接触れていなくても、所持している武器で相手を切りつけている間にスキルを発動させる事で体内の水分を奪うスキルだった。いや、【抽出】だった。

 だが帯野さんの場合は違う。


 触れている部位を直接【抽出】するんだ。

 もしかしたら今まで同様武器で切りつけた相手の水分も奪える可能性もあるが、まだそこまで試すに至っていない。


 これは2人の女性が扱うスキルも同様ではないだろうか。


 【収納】スキル。物を本来あるべき位置に戻したり、片付けに使っている、まあそんなスキルという認識だ。


 帯野さん曰く、

『本来、

【収納】の【収】とは【取り入れる、収める】という意味がある。

【収納】の【納】とは【納める】という関連に使ったりする。

 どっちも物や何かをおさめたりとかの意味だな。

 そもそも【収納】とは何かを中に入れてしまう、または現金や物等を受け取って納まるという事だ。

 けっして片付け上手という意味ではない。』


 という事らしい。

 これは俺が預かった本にも記載があるとか。


 で、手にした物体を出し入れできるというとんでもない性能。

 一度スキルで取り込んでしまえば、スキルの効果が無くなっても念じればいつでも取り出せる。


 俺はふと思った。

 右手に念じた物体が出現する。

 それを逆手に取った攻撃方法ってないのだろうか?と。

 なので俺の中には今数本のナイフが入っている。長さもまちまちだ。

 魔物相手に右手を突き出し、物を念じて取り出した場合、取り出したナイフが魔物に突き刺さったりしないだろうか、と。

 もしそうなれば選択肢が増える。

 常に収納カードを使ってスキルを使えるとは限らないからな。

 スキルを使える時であれば生きたまま収納するという荒業が使える・・・・次に試してみようか?ヘラクレスで。


 さっきの抽出スキル、ハムスター相手に俺は素手で戦ったから試さなかったが・・・・

 外骨格を持つインセントに刃が通るとは思えないから、また今度試そう。

 そう思っていると数体の気配があった。


 今度は見た事の無いクワガタだ。妙に顎が長い。いわゆるハサミの事だ。

 メタリフェルホソアカクワガタと呼ばれている奴だな。

 身体と同じぐらいの顎を持つ。

 単に全長で言えばギラファノコギリクワガタが一番なのだが、顎の長さはこいつが一番だろう。


 俺は咄嗟にさっき抽出したばかりの外骨格を取り出し盾代わりとした。


 その外骨格をメタリフォルは長い顎で挟む。

 だがこいつは力が無い事で知られている。

 オオクワガタみたいに挟んでちょん切る事は難しいようだ。

 なので外骨格も無傷だ。

 よしよしこのままこいつの外骨格を頂こうか?

 その前に抽出スキルで水分を抽出できるか試そうか?

 俺はまだ効果の残っている抽出スキルを用い、メタリフォルの顎に手を触れ発動させる。

 魔力をつぎ込めば何とかなりそうだ。

 そのまま力が弱まる。

 よしよし効果ありだ。

 もう一度、今度は外骨格だな。

 ついでにそのまま収納スキルを発動させる。

 外骨格が先で、その次に生きたままの本体だ。

 何て素晴らしいんだろう!

 俺はさっき油断大敵と思っていたばかりに周囲の警戒がおろそかになっていた。

 いや、他にハンターが近くにいるのは気が付いたが、それでもまだ離れていたのでこうしてクワガタを相手にしていたんだ。

 次を警戒する前に新たにヘラクレスがやって来たので飛んできたのを外骨格で受け流し、方向を変えさせ地面に落とす。

 ひっくり返っているのでそのまま角に触れ外骨格を抽出。そのまま本体を殴り仕留めた。


 ここまでくると流石に残りの魔力が少なくなり心許無くなる。


 一寸ふらついたと思ったら、頭を何かで殴られたような衝撃が走った。

 魔物か?

 俺はてっきり別のインセントがぶつかって来たと思った。

 薄れゆく意識の中で視界に入ったのは、数人の姿だった。




●  作者からのお願い  ●


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最終話の最後に

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