第2話

 翌日、昼頃からゲームのお誘いがあったため重い瞼をこすりながら洗面台まで向かう。

 顔を洗い、軽くご飯の用意をする。

 普段だと昼過ぎまで寝て朝食は食べないのだが、今日は予定がある。

 ご飯をしっかり食べて頭を起こしておかなくては……


 約束の時間が近づいてきた。ゲームは知らない人は居ないであろうあのAP〇Xだ。

 予定の時間より少し早めにインし、練習場で先にアップしておく。

 数分後、discordに通知が入る。どうやら向こうも準備ができたようだ。

 通話をかけていいか、ときたのでOKと返すと間もなく掛かって来たので繋げる。



「……もしもし」



 かよわい今にも消えそうな女の子の声が聞こえる。

 とりあえず音量をMAXにしてから返す。



「はーい聞こえてますよ~」

「こ、声小さくないですか、大丈夫ですか?」

「音量の調整したので大丈夫ですよ~」



 かなり緊張してそうだったのでなるべく明るめに返事をする。



「えと、あの……伊上咲希いがみさきですよろしくお願いします……」

「レイですお願いしますね~」



 と、ここで頭にハテナが浮かぶ。

 今日やる予定の子の名前は花嵐咲からいさきのはずだし……

 うん、ディスコの名前もそうなってる……

 あれ……?



「え、あの……今私なんて……」

「えーっと……」

「あああぁぁぁぁ……」



 あーこの反応。もしかしなくてもだなぁ……


 彼女も俺と同じ配信者で、Vtuberであり活動名と仲の人の本名がある。

 ただ、違うのは俺がどこにも所属していない個人Vに対し、彼女は絶賛人気沸騰中のMoon&Star所属Vtuberの一人であると言うことだ。

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