2023年5月下旬 承認欲求、超えてはならぬ一線

2023年5月半ば。

Twitterで少々気がかりな情報が流れてきた。


とあるWeb小説投稿サイトでのお話。

私はそのサイトに登録していないので細かい所までは把握できないが・・・・・・。


簡単に言えば、評価をお金で買う、という内容だった。

そして、それを行ってしまった方の作品が違反行為によって掲載禁止となった。


これだけを見れば、ルール違反に制裁は当然、なのだが・・・・・・。


問題はその詐欺師の手法である。

※あえて詐欺師という強い表現で記載します

 公平公正で自由な創作活動とその活躍の場を破壊する許されざる輩なので


①ツイッターのDMダイレクトメールで宣伝を送る。

②小説の宣伝援助をする、という宣伝文句で引き込む。

③それほど高額ではない金額設定で、出しても良いかも?と思わせる

④評価自体は実行する

⑤サイト運営が感知して警告

⑥作品掲載禁止

 (アカウントそのものが消える可能性も十二分にあったはず)


略式で表すならこんな感じ。

普通の感覚であれば①~②の時点で無視して終わりである。


だが、何かの拍子に魔が差して③に進んでしまえば地獄だ。


小説を宣伝する。

この行為は決して問題ではない。

多くの人に見つけてもらいたくてTwitter告知したりするわけで。


じゃあ、どこからがダメになるのか。


①宣伝するために友人の手を借りる(無償)

②宣伝するために他人の手を借りる(有償)

③評価を得るために友人に読んでもらう(無償)

④評価を得るために他人に読んでもらう(有償)

⑤友人に作品は読まずに評価だけしてもらう(無償)

⑥他人に作品は読まずに評価だけしてもらう(有償)


ざっくりとした区分けだが、おそらく④以降がアウトだろう。

比較のために書いているので、④については現実的な状況ではないが。


⑤については道義的にアウト、物書きとしてそれを友人に頼むのはいかがなものか。


お金を他人に払う、という点では②はどうなのか。


これはお金のかかる先が評価ではなく、宣伝なのでセーフであろう。

Twitterでプロモーション使って宣伝、というのが分かりやすい。


今回の被害者さんのケースは⑥だ。

完全に真っ黒、だが詐欺師はそれを②であるかのように偽ったのである。


これを見て思ったのは、誰にでも起こり得る話だ、という事。




例えば、とある小説コンテストが開催されているとする。


例年の傾向から見るに、大賞作品や受賞作品は100位以内に収まっている。

※便宜上こう書いてますが、実際のコンテストとは関係ありません


期間終了まであと二日、自作は150位周辺にいる。


何が何でも書籍化したい、賞を取りたい。

私生活の状況から、今回を逃すと執筆を続けられないかもしれない。


過去最高の順位、あとちょっとでボーダーラインを超えられるかも。


そんな時に、効果的に宣伝をしてくれる、というDMが。

内容を見ると安価で宣伝を手伝ってくれるらしい。


評価を入れてランキングを上げる?

怪しい・・・・・・。


でもちょっとだけなら。

一回だけならバレないかもしれない。

受賞したり書籍化できるかも。


人生をいい方向に変えられるかもしれない。


たった数千円、それを払うだけで。


宣伝してくれるなら、多分そういう事にノウハウのある人のはず。

過去にもやってると書いてあるし、問題の無い話なんだろう。


万が一何かあっても自分は知らない、とを切ればいい。

ほら、知らないどこかの誰かが勝手にやった事にして。

追及されたら、自分はハメられた!って言えば、お咎めなしだ。


ワンクリック、それで済む。

クレジットカードの請求欄が一行増えるだけ。


もう時間がない、絶対大丈夫、ぜったい・・・・・・。




ちょっとしたストーリーになってしまったが、有り得ないとは言いきれないはず。

作品の商業化に貪欲であればあるほど危険だ。


今回の被害者さんは自分の轍を皆に踏んでほしくないと拡散をお願いしていた。

一連の流れを文章にして、それを公開されている。


中々出来る事では無い。

とてもとても、勇気のある方だと思う。

そんな人でも魔が差してしまった。


自分がそうならないとどうして言い切れようか。


今後の創作活動の中で、そう言った場面は来ないかもしれない。

だがもし、もしそれが起きる可能性があったならば。


この内容を、そして勇気ある作者さんの事を思い出したい。

同じ轍を踏まないように。

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