第40話

「ところでクーナさん、なぜ俺の部屋に来ているのでしょうか?」

 ゲンジさんを送った後、疲れもあったし休もうと部屋に戻ってきたのだが。なぜかクーナがついてきて一緒に部屋に入ってきたのだ。

「どうぞお構いなく。ワタシもこの部屋で生活させていただきますので」

「聞いてないんですけど!?」

「メンテナンスユニットも配置済みです」

 話が通じない!? 確かにいつの間にかリクライニングチェアのようなものが部屋に増えているが……

「レイカ様に希望したところ二つ返事で許可していただけました」

 レイカさん何してんねん!!

「なんで俺なの?」

「ワタシは貴方に興味があるのです。なので近くで観察したく思いました」

「そう言われても女性と一緒の部屋っていうのは問題が……」

 女性への免疫の低い俺にはいろいろと困ってしまう……

「ご安心ください。ワタシのこの体は錬金術、ホムンクルスの技術が使われておりますので人間の女性同様に柔らかいです」

 何の話をしているのだこの娘は?

「触ってみますか?」

 そう言うとクーナは来ていた服を脱ぎだした。ちゃんと下着を着ていてくれたのは救いだがスタイルは良く、出るとこはしっかり出ている成人女性という感じであった。しかもなんか普通にセクシー系下着で目のやり場がっ!?

「ちょっ、まって!? クーナ!?」

 クーナは俺の手を取ると自分の胸、そしてお腹と当てて触らせてきた。感触は温かくすべすべして柔らかいすごく気持ちいいものだった。

「嫌ですか?」

 少し悲しそうな顔をしてそう聞いてくる。その顔はズルい、ズル過ぎる……

「すごく、気持ちいい……」

 クーナは嬉しそうにニコッと微笑んで見せてすごく可愛いと感じてしまった。

「よかったです。ワタシの体には男性の欲求を満たすために女性器の方もあります」

「何言ってるの!?」

 まさかの言葉に頭の中がパニックで爆発しそうなくらいグルグルしている。

「人には欲求不満など性的な発散が必要と認識しております。バラット様がそういう衝動に駆られた時はどうぞワタシをお使いください」

「ちょっとまって!? それはどういうこと!?」

 なにか変なことを言いましたか? みたいな表情で迫ってこないでほしい!!

「エッチしたくなったらワタシとしましょうと言いました」

 言い方を変えればいいということではないっ!?

「そういうのは愛し合った二人がすることであって、欲求不満だからってやることじゃ……」

「私はバラット様の事好きだと感じております。AIに恋されるのは嫌ですか?」

 俺の手を自分の胸に押し当ててじりじりと迫って来る。誰だクーナをこんな美人に感情的に作ったのはっ!!!

「それでも肉体関係っていうのは簡単に持っていいことじゃっ」

「ワタシはアンドロイドみたいなものですので道具とでも思って、そういう考えはどうぞ恋人を作ってそちらで行ってください」

 この娘は都合のいい様に人間になったちロボットになったり反則過ぎるっ!

「それに、人間の生殖行動。エッチというものに興味があります」

「なんでそんな知識もってるの!?」

「この島をAIシステムとしてさまよっている時いろいろとデータを収集しておりました。居住区で実際に観察したこともございます」

「それは見ちゃダメ!!」

 とんでもない娘だった……

「行為後皆さん幸せそうでした。ワタシはそれに興味があります」

 何を見てきたんだ……

「このようなことは誰とでもやることではないのは理解しております。誰がいいかと考えたところバラット様がいいと感じたのです」

 殺し文句を平気で述べてくるあたりはAIということなのだろうか……反則過ぎる。

「これがワタシが肉体を欲した理由の一つでもあるのです。バラット様、どうかワタシと」

「で、でもさ……」

 ふと気づいた。助けを呼ぼうにも皆何かしら作業してて近くにはクーナ以外誰も居ない、完全に策にハマっている感じがする。

「ワタシに経験を、刻み付けてください」

 言い方がっ!? ゆっくりと確実にクーナは俺の上にまたがり迫って来る。思考が、自制心が、衝動がグルグル巡ってもうどうすればいいのかわからないっ!

「バラット様、どうぞワタシをお受け取りください」

 逃げられない!? 迫って来るクーナ、どうしてこうなった!!

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 この後どうなったのか、それはご想像にお任せすることにしよう。刺激の強すぎるこの一日はもう忘れられなさそうだ……

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