鶺鴒(セキレイ)

朝の挨拶と夕映えの空に

君がよく鳴くのを耳にして

愛しものを探しては慕わしい恋ひでも

呼び集めるのか


コンクリートの狭間を小走りで

何を急いで歩いているのか

僕らはそれほど急ぐことも

本当はないであろうに


いつしか誰かを愛おしく思う頃に

君がまた鳴いて 気づかせてくれる

錦秋が近づく かの山に

君を待っているあの子がいる


そろそろ帰ろうか 僕にも

母屋で待つ人がいるから

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

移ろう季節を温めて 桑鶴七緒 @hyesu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ