第54話 萌え絵を憎む女性の反応は本能的なもの

「男性が魅力的だと思える異性の年齢」で検索してもらえばわかる通り、男性はほぼ20~25歳の女性を好むグラフが出てきます。女性が望む男性は同年代くらいらしいですね。


 これは妊娠・出産に基づく本能だとだと考えれば納得がいきます。女性が妊娠しやすいのも流産や遺伝子異常も少ないのも16歳~24歳くらいが一番いいからです。

 一方で男性は女性が子供を育てる環境を整えることと、優秀な遺伝子を持つことが求められるだけなので、年齢はあまり関係がありません。


 言い方は非常に悪いですが、妊娠・出産に関して言えば、女性の価値は若ければ若いほど上がります。つまり性欲と密接に結びつくということです。更に、ルッキズムとは何かと言えば、優秀な遺伝子を見た目で選別しているのです。実際に今はやりの美人が優秀な遺伝子かどうかはわかりません。しかし、胸や腰のサイズは安産・育児・母性の象徴ですから、そこに惹かれるのはわかると思います。


 そして経験値から言えば、美人かどうかは別にして、顔が整っている人は頭がいい人が多い気がします。整っていると言うのはパーツのバランスの事ですから、結果としていわゆる不細工であっても、頭がいい人は凛々しい感じの人が多いと思います。


 つまり、整った容姿と若いこと。そして胸と腰を強調したエロティックな身体に男が惹かれるのは、遺伝子の要請でしかありません。そこをどうこう言っても所が無いでしょう。


 女性は自分の生存、子育ての環境を整え、優秀な遺伝子を得るために、自らを着飾り、化粧をして若く美しく見せ、肉体を歪めてまで胸と腰を強調するのだから同じことです。

 そして自分の競争相手となる存在を憎むことになります。ここは不思議なことですが、女性は生活を守るために非常に女性同士で集まり、共同作業します。ウワサとおしゃべりを好み、生存のための情報収集をします。


 ですが、その集団の中に一番若くて最大のライバルになりそうな人間をスケープゴートにし、つまはじきにします。


 これが女性が言うところの「異性に見せるためにおしゃれをしているのではない」に通じるのではないでしょうか。要するに女性の集団の中での順位が重要ということです。また「自分のためにおしゃれをする」という心理も同じ根っこの気がします。


 さて、このステレオタイプの男女像から抜け出している人は幸いです。進んだ人間なのでしょう。ただ、大衆はこんなものです。フェミニストでもなんでもない単なるルサンチマン…いや、本能的なものです。


 これが萌え絵に対する拒否反応の正体です。自分の遺伝子戦略に対する最大の脅威が、自分より若くて美人で性的な女性、ということです。だから生理的に萌え絵が苦手な人が多いのでしょう。








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