第49話 貧しくなったのではなく贅沢になったんです。

 16話の補足みたいな話です。家計消費支出の総額ってGDPの一部でもありますが、1人当たり、1世帯当たりの収入という曖昧な指標を補足することができます。それは年金の支払い額の増加かもしれないし、消費税の増加かもしれません。しかし、収入の増減を推定する役目にもなります。もらった分使う、それが家計です。


 1994年に225兆円弱だった家計消費支出は、現在240兆円です。この間で人口は減っています。つまり、一人当たりの支出は増えていることになります。

 貯金を取り崩したのでは?と思われるかもしれませんが、貯金は1994年で1200兆円程度だったのが現在は2000兆円。土地の値段にそんなに変化はないですが、アメリカの株式などの影響SP500とかの影響はあるかもしれませんが、貯金は減っていません。 借金はというと、家計債務残高の総額の推移のいい数字の資料はないですが、対GDP比で横ばいか減少傾向です。

 ちなみにインフレ率はこれだけじゃぶじゃぶ金融緩和しても、0%前後です。インフレターゲットが2%で全然インフレにならない状況を覚えていますでしょうか?


 つまり、決して貧しくはなっていないのです。で、GDPデフレーターも現状まだマイナスです。もちろん急激な物価上昇と諸費税・社会保険制度の変化がこれから指標を苦しめる可能性はありますけど。


 何が言いたいかと言うと、贅沢になったんです。今、エンゲル係数がどんどん上がってますけど、いわゆる中食が上がって、内食つまり自炊が減っている傾向がでています。また、通信費は1世帯当たりで2倍以上になっています。熱中症対策といって、全部屋冷房をして寝ます。

 そして、大学進学率は1994年には38%程度だったのが56%を超えました。私立中学比率も増えています。


 なにより、要求水準が上がっています。SNSなどによって自分が中流階級だと言うことを忘れ、金を使う暮らしが当たり前だと思うことです。言っておきますが、昔から庶民に金はありません。旅行も外食も贅沢だった時代があるんです。昔は良かったなど、ありえないです。


 さて、ここで為替についてちょっとだけ。これはチャンスです。大学進学率を下げて、物作りの国に戻りましょう。資源が値上がりしても付加価値をつければ商売になります。手を使う労働に戻れば、贅沢な暮らしの喜びが虚構だとわかります。

 内需を内部で賄いましょう。そのために手となる子供を作りましょう。それが豊かな暮らしです。


 ブレスト的な考え方を提供する極端な意見ですが、しかし、豊な暮らしを求めて貧しい心になっている、ということを忘れると、本当に人生が不幸になってしまいます。


 





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