第46話 埼玉県の虐待禁止条例に反射的に反対する人

 埼玉県で虐待禁止条例案なるものが、成立しそうで反対署名が集まっています。小学校3年生以下を一人で留守番させることは違法であるという条文があるそうです。

 これに反射的に反対する人の論拠は、共働き、シングルマザーを否定するのか?という趣旨のものです。


 が、冷静に考えて今治安的には首都圏で一番危険なエリアは埼玉県南部な気がしますし、法律の内容は虐待防止も盛り込んでいるので悪くないと思います。


 ちょっとくらいいいだろう、と親が目を離した隙に事故は起きます。過去から今まで自分には何も起こってないから反対するわけでしょう。ですが、起こった時に自分がどうなるかという想像力が不足しています。こういう人は事故が起こっても政治のせいにするのでしょうか?


 論点が全然違います。問題は小学校1年生から3年生まで、あるいは小学生全体ですけど、これを夜7時8時まで預けて置けるところがない、という事実です。

 あるいは地域にどんな子供がいて家の状況がどうなっているかとか、帰り道を見守ってくれるコミュニティがなくなったことです。これをプライバシーと呼んでいます。つまり、親が自己責任で子供の安全を守らなければならないということです。だから目を離してはいけないのです。

 この議論をしないで、共働き、シングルマザーイジメと言う論点になるのが「自分勝手な法律議論」ということになります。


 何が自分勝手か。それは「自分の身に損があるかどうか」です。正しい世の中、事件事故防止のための対策という根本的な論点から目をそらしていることです。そして条例を作った議会側も、例えば埼玉県だけ学童保育を市町村が経営し20時まで営業するという法改正とセットにしないから、こういう近視眼的な理屈の反対が起きるのです。

 あるいは埼玉県民でなくても、同じ状況になりそうな親たちは署名するでしょう。


 これは法律制定もそうですけど、あらゆる場面の議論で起きています。自分が得するか損するかに御大層な名目をつけて反対しますけど、そのマインドは自分の損得です。「感情では嫌だけど、理性では賛成」というジレンマを含めて議論できる人が本当に少なくなりました。


 今後、外国人が増えるなら、というとかなり色眼鏡ですが、残念ながら倫理観が違う人が混ざっている可能性が高い集団であるのは川口の例を見れば明らかでしょう。今後の埼玉を考えると子供の保護は喫緊の課題です。


 大家族を嫌がり、近所の子供に注意すれば通報される社会だから、子供の安全が担保されなくなったことに早く気が付きましょう。少子化が進んでいることと原因は一緒です。


「自分の損得やルサンチマン的な感情を正論のような顔をして議論するのが世論である。その結果が小選挙区制に反映する。だから、くだらない法律議論が起き、ポピュリズムが横行する」です。







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