第35話 仕事と育児は両立するわけがないと認めましょう

 正直に言えば、会社の事務職は半分にしても仕事は回ります。というか余計な人間関係がなくなるので効率は良くなるでしょう。


 例えばエクセルで同じ作業をやらせても、5分で終わる人と3日かかる人がいます。これは3日かかる人がサボってるわけでなく、むしろ3日かかる人の方が一生懸命に見えるから始末に負えません。


 これは仕事を作っている訳です。組織のいろんな思惑がありますが、少数の「出来る人間」が事務を権限を持って担えば半分どころか三分の一になるでしょう。クリエイティブな仕事など、社に数人いれば十分です。コンサルティング会社と付き合いがある人はわかるでしょう。本当に優秀なのは10人に1人です。

 つまり、社会にはあまりに人の無駄が多いです。多すぎます。だから給与の母数が増えすぎて、平均給与が下がるのです。


 豊かな社会を築くには、仕事の時間は短いほどいい訳です。経済成長の要は労働者数ではなくて、消費者数です。少ない手数で仕事が回るなら、支払う給料総額は同じでも1人当たりの給料は増えます。


 その浮いた人材が男なら家事や肉体労働を担えば、女性なら出産、育児に寄与すれば個人の時間は増え、趣味や学習、交友などに時間が割けます。


 その考えをしないで、なぜ皆働く社会を目指そうとするのでしょうか?一つは消費化が進むと計算している政府の勘違いだと思います。勤労女性の家事がアウトソーシングされることで産業が潤う。完全な間違いです。ストマックシェアなど分かりやすいですが、人口が増えるのが一番経済に寄与します。


 そして、年金問題ですね。3号被保険者を減らしたいのでしょう。なんというか、短絡的です。労働効率を上げて、ゆとりがある働き方から生まれるイノベーションで世界企業が増えて行けば、法人税や円の価値のアップで全く問題ありません。それで結婚・出産を望むカップルが増えれば更にいいと思います。


 働いている方が豊かだ、という発想はどこから来ているか。プロテスタントを初めとした宗教的な価値観ではないか?社会保障のために労働者数を増やしたいという思惑ではないか?家族を守る家事労働を貶めるのはプロパガンダではないのか?という疑いを持った方がいいでしょう。


 出産・育児と勤労の両立は、おそらく何をしても上手くいかないでしょう。少数のレアケースで上手く回っているのは、勤労時間が相当短いなにかの要素があると思います。そうなると子供は1人でいいや、になると思います。


 というか豊かなパワーカップルを支える貧困肉体労働という図式で考えれば、この図式でうまく行くのは人口の何割なのかを考えればわかる話です。上位2割だけが金をたっぷりもらって「うちは仕事と家庭両立しているよ」かもしれません。

 貧困層に汚い、きつい、危険を下5割に押し付ける社会。そして、中の上30%は上位を目指して、金持ちの真似事だけ目指すしてきつい共働き労働でストレスをためて子供を作らない。


 ちょっと大げさかもしれません。むしろ下5割の中に上手く幸せそうに家庭を築いている人もいますし。つまり、上から20%以下で50%以上の中途半端層が一番不幸せなのかも。


 そして女性の働く権利をどうしても守りたいなら、まず生命倫理を言わないことですね。女性が子供を作らない選択や中絶の選択をするというのは、生命の在り方に既に反しています。というか「ヒト」であることへの最大の反逆です。

 それを権利というのなら、育児は国に任せる。あるいは子宮のシェアとしての代理出産。人口子宮やクローンなどは「子供を産まない選択」に比べれば大したことはありません。


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