第33話 男性も妊娠しろ、という議論がありました。

 アーノルドシュワルツェネッガーの映画で男性が妊娠する話がありました。90年前後のフェミニズムの流れで、生物的な制約を取っ払うために、男性も腹腔で妊娠しろという議論があったようです。


 この議論で面白いのは、当時はやっぱり人間は当然妊娠・出産すべきもの、という価値観で、女性だけがそれを引き受けるのではなく男性も妊娠すべきだという流れだったことです。


 今は妊娠そのものを否定、選択の自由として考えるのが主流のようです。


 国家の基本は国土と国民です。国民とは基本的には国土で生まれた人間です。つまり、国家存続の「当然の要請」として、妊娠出産は考えるべきだと私は思っています。

 やっぱり公共の福祉として、国土を守るという意味で、徴兵制、労働の義務などと同じ基準で、憲法に妊娠出産の義務と権利を規定すべきだと思います。

 食品自給率の危機をいうなら、やっぱり出生率を上げるために税金を湯水のごとく使うべきだと思います。教育も含めてです。


 病気や肉体が原因の不妊の場合の養子などの治療・ケアを国のお金=税金で賄うべきでしょう。


 繰り返しますが、肉体が男子だろうと妊娠しろ、という議論があったわけです。つまり、心が男性、肉体が女性の人が妊娠・出産しない理由はないですね。女性同士で愛し合っているから妊娠できないなら、クローンを是とするとか、精子を提供してもらうとかすればいい話です。


 安全に男が出産できるならそれでもいいですけどね。腹腔での妊娠は要するに子宮外妊娠ですから、危険度は高いようです。もう少し医学的な安全な方法が確立しないと厳しいでしょう。


 遺伝子を残したいという欲求があれば、IPS細胞とか利用して、生殖細胞を男子からも卵、女子からも精子を作れるよう研究すべきでしょう。


 生命倫理とか宗教とか言いますけど、中絶や子供を産まない選択を是とする社会で、生命倫理も道徳もない気がします。出産に関わる医学こそ、人類の繁栄と生物の制約からの離脱が考慮できる前提条件な気がします。






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