第30話 結婚教育ネグレクト

 ネグレクトというのは育児において、やるべきことをやらずにその人間を駄目にしてしまう事です。

 例えば自分は遊び歩いて食事を与えない、衛生に気を付けないなどはその典型でしょう。危険回避の教育をしないなどもそこに含まれるでしょう。

 その一方で、好きな物だけ食べなさい、と金だけ渡すというタイプのネグレクトもあります。スポイルと言ったほうが分かりやすいかもしれません。甘やかせて駄目にすることを言います。


 その延長上なんでしょうか。子供に対する教育に痛みが必要だという判断の元、イギリスやアメリカの3分の1くらいの州では体罰容認あるいは体罰の復活が法的になされています。


 子供は小さい大人ではない。徹底的に保護すべき対象だし、また権利の制限の視点でも、アジアよりも子供の権利認識が薄い欧米においては、ある意味動物と同等の「しつけ」が不可欠だという判断をしたと言う事でしょう。


 犬をしつけるときには、即時に悪いことをなぜしたのかを分からせながら少し痛い目に見てもらうのが一番効果があるという考えと一緒ですね。あとでじっくり口で言って聞かせるみたいな「大人の対応」が効果がないという点で、これは欧米スタイルに一理あるかもしれません。日本も昔はそのスタイルでしたし。


 ネグレクトと体罰。人間痛い目を見ないとわからないのであれば、痛い目に合う機会を子供から奪うのはスポイルというタイプのネグレクトですね。


 さて、恋愛、結婚そして出産。権利の名のもとにネグレクトをしていませんか?という話です。食事や衛生は個人の存続のために不可欠な事です。じゃあ、恋愛、結婚、出産は不可欠ではないのでしょうか?


 言葉を教えないのはもちろんネグレクトでしょう。コミュニケーションに応えるのももちろん大事です。では、友達というものを教えるのは?恋愛は?そして、性行為は?親が教えなくていいの?そしてそれが素晴らしいものであると言わなくていいのか?と言う話です。


 親じゃなくてもいいですけど「痛み」を嫌がっているだけじゃないんでしょうか?徒競走で順位をつけない。やりたい人が全員お姫様、王子様役をする学芸会。その延長線で、いいんだよ恋愛なんてくだらないよ。結婚なんて辛いだけだよ。出産なんて好きな事が出来なくなっちゃうよ。


 性愛は親からの自立の意味もありますから、親というよりも昔は友人や先輩、親戚や会社の上司などから教わった、あるいは劣等感がいい教育になったのでしょう。それが全部ハラスメントだの個人の権利ですからね。


 これって、結婚ネグレクトじゃないんですかね。







 






 

 


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