第20話 奨学金は無茶です。

 私立大学の授業料は1992年に年66万円だったのが、今は年93万円だそうです。月当たりだと2万円ちょっと増加です。親の懐が寒くなったことに加えて大学の授業料増加が原因でしょうか。1992年の仕送りが12万円で2021年が8万円だそうで4万円の減少です。


 仕送りの平均は8万円。東京の場合は9.5万円だそうですが、東京の1人暮らし用の賃貸物件の平均家賃が7.3万円と聞くと絶望的になります。2021年の一人暮らし世帯の水道光熱費を1万1千円だそうです。つまり1万円で暮らせ、ということでしょう。ほぼスマホ代で終わりです。


 残りは、食費、被服費、交際費なにより大学生だから書籍代。これは別で賄えということになりそうです。食費1日1千円で3万円、大学生だから被服費ゼロとはいかないでしょうから1万円。女子ならお化粧も含め3万円とかになるんでしょうか。交際費は食費と重複もあるでしょうが5千円、書籍代。大学の教科書は高いですからね。まあ、月1万円だと少なすぎるくらいです。この合計で5万5千円です。


 うーん。これならバイトで賄えそうですけど。最低時給が1,100円時代です。つまり50時間。週末8時間かける4回で48時間ですから。

 ただ、5万5千円って結構最低限です。女子なら7万5千円。女子大生に服装にこだわるな、化粧するなというのは酷ですよね。


 大学生の平均のアルバイト収入は3万6千円だそうです。ちょっと働かなすぎな気もしますが、真面目に大学に通っていればそんなものかもしれません。一人暮らしの人ほど生活のための時間が必要になるというジレンマもあるでしょう。自宅生のこづかい稼ぎと合わせての平均ですから実態は見えてきませんね。

 それにアルバイトは特に理系で実験が始まったり、資格試験を目指せば厳しいでしょう。で、奨学金の出番となるわけです。2人に1人が利用しているそうです。


 月1万円借りて4年在籍すれば48万円の借金がのこります。奨学金の1人あたり平均残高は300万円を超すそうですね。つまり月6万円借りているわけです。生活費全部がほぼ奨学金で消える勘定です。

 何に使うか、ですけどね。医学部や芸大なら授業料に奨学金を使うのはわかります。医学部なら返済もできるでしょう。そして優秀だけど親の収入がどうしてもという家庭なら理解します。


 1992年の大学進学率が38%。2018年が58%で20%の増加です。生徒数は減り続けて大学は減ってませんから入れますけどね。必要でしょうか?


 300万円の借金もって社会人スタートは厳しいです。月々2万円支払って150ヶ月で13年弱ですか。統計ですからもちろん個人差は大きいでしょうけど、逆に言えば大卒の人の2分の1の人の平均が300万円の借金かかえていれば、そりゃあ20代で結婚する人の数は減るでしょう。

 大学生の親の平均年齢は50歳前後らしいですので、親が払えなくはないでしょうけど、それが出来ないから奨学金なんでしょうね。

 

 大学の進学率が上がれば社会に出るのも遅れますから、結婚の平均年齢もそりゃあ上がるでしょう。奨学金かあ。もっと審査を厳しくして給付型メインにしたらどうでしょう?

 職業に貴賤無し。むしろ皆がやりたがらない職に高卒でついた人をリスペクトしできれば、少子化対策になる気がします。年金庁もニッコリでしょう。









 


 


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