サキ「パワーアタック!」 モンスターに1のダメージ!!

 ま、観光するかな。


 都市の中心部は馬車鉄道網が張り巡らされており、基本的に馬車鉄道で移動するような感じである。

 将来的には機関車とかに置き換わりそうだね。この世界なら魔道文明が発達して魔導機関車が登場するかも?

 ぽちたちと離れるのは寂しいが、サキがいるしね。サキの武器でも買おうかな。サキュバスの武器といったら……SM用の鞭? いや、それじゃいくら何でも……。


「ご主人様ー、わたくしはこれが良いです」

「脇差しくらいの、長めの短剣か。ちょっと重そうだけど大丈夫かね」

「なんとかなります! そして料理にも使えますからね」


 うーん、サキが短剣振り回して戦っているとか、もうパーティとしては壊滅してるねえ。


「モンスターぶった切った剣でリンゴむくのやめてください。料理用の包丁を良いやつに取り替えるか。サキの主戦場はそっちだ」


 サキは後方支援が一番似合うと思うんだよね。


「えー。武器と料理兼用ってなんかかっこいいじゃないですか」

「ないない。短剣ももっと振り回せる短いやつにしとこ。サキは身軽なのが一番」


 サキのメイド服には〈防御増加・三〉エンチャントを付与して戦闘もできるメイド服に。短剣には〈麻痺〉を付与。

 首都に近づけば近づくほどモンスターの危険は無いけど、何があるかわからないもんね。サキはめっちゃ美人だから誘拐されちゃうかもしれない。

 念には念を入れておくのだ。


 きつねも身軽なのが一番である。なので靴をオーダーメイドしたよ。

 ミニスカ衣装にはニーソックスもシルクグローブも付いているのでそこら辺は変更なしです。どんなエンチャントがかかっているか知らないけど新品同然に綺麗なままなんだよね。

 武器の棒は特に変更無し。でも首都かここで情報集めて、良い工業都市で鋼鉄製に切り替えようと思ってる。

 重くなるけど最近きつねぱわぁが上昇していて筋力も増加しているので、多分振り回せる。


「武器屋、服屋、付与屋、靴屋。主要武具店は見て回ったかな。次は旅用の道具でも見て回ろう」

「取捨選択はおっまかせくっださい!」


 じゃあサキにまかせよーって思ったんだけど、ヒゲソリ騎兵隊の武者修行用によくデザインされた道具一式が既に開発されているのでそれを選択。

 無骨だけど無駄が無いキャンプ道具といった所かな。


 サキはナイフやまな板、ピーラーとか料理小物に裁縫道具とか選んでた。生地や針の質が良いみたいで喜んでたよ。

 本格的に裁縫したいみたいで、手織りミシンが欲しいとのことで購入しちゃった。移動中にハンカチとか作るんだってさ。

『サキュバス印の愛のハンカチ』とかいって〈淫〉のエンチャントが付与されたやつとか売ればいろんな人にウケるんじゃ無いかな……駄目かな……。


 ソリノコシ市は非常に活発な都市で本当賑やか。酒場にも顔を出してお酒をあおったりしたよ。死ぬ前は女子……大生だったから問題ないね!!!!!!!!

 どうせ死んだあと、今の方の人生が重要だし!!


「ガハハ、まだまだ飲めるぞ! もっと強い人はいねーかー」

「キャーご主人様お酒強ーい」


 私は見事なまでにザルだったよあっはっは。飲んでも飲んでも潰れない。飲み比べを挑んできた男性を全て返り討ちにしてやったぜ、へへ。


「俺はメイドの方と勝負するぜ! な、いいだろ? げへへ」

「あら、わたくしとやりたいの? そうね勝ったらディープキスしてあ・げ・る(ハート)」

「うおおおおおお負けねえ!!」


 それで飲み比べが始まったんだけど、サキはザルというか、穴が開いていた。一切酔わない。強い。怖い。


「ま、まけねえ。まへねえ……」

「だーめ、もう飲み過ぎよ。あなたの負ーけ」


 といってデコピン。男は満足したかのようにぶっ倒れてすやすやと眠り始めた。ああ、なにか淫の魔法使って意思と操ったんだな。


「なにやったの?」

「ちょっとからかって止めただけですよ。わたくしと違って人は飲みすぎると死んじゃいますからね」

「そっか。じゃーマスター、お代飲み負けた奴らから徴収しといて。ごちそうさまーケチン鳥の山賊焼き美味しかったよ」

「みんな、また飲ませてねっ」もえもえきゅーん

「「「お、おう!」」」


 馬鹿な奴らである。

 しかし酒飲みに関してはサキュバスくっそ強いな。酒も淫らな行為に含まれるのかもしれない。裸になるやついたし。それが正常なのかどうかは生前女子高生だったのでよく分からない。



 ずっと馬小屋で待機させるわけにもいかないので、ポチたち三匹を広場で遊ばせてやったりもしたよ。

 サキは肉食動物が苦手だけど、三匹はサキが大好きなので、


「いやあああああああ走ってこないでえええええええええ」


 猛スピードで逃げるサキ。


「わんわん」

「ワン」

「バウ」


 ハッハッハッハと追いかける三匹。わざとサキが逃げるスピードに合わせている。


 こんな図になる。今まで私が担っていた部分をやってくれているので、楽でいいや。

 必死に逃げているサキだけど、最終的には追いつかれてもみくちゃにされるんだけどね。そうしたら私も突入してもふもふ大会だ。サキも本能的恐怖に負けているだけなので、泣きながらもふもふする。

 このサキだが、本当に男心をくすぐるのですっごいナンパされる。すっごいすっごいされる。全部サキが追い返してるけども。サキュバスって割と通常の心理コントロールも上手いのかもしれない。



 特に問題の無い都市なので遊んでしまったなあ。ま、前の町が酷かったしサキ仲間にするの疲れたし、こういうのも悪くないよねー。

 悪くないよねー。

 悪くないよな?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る