サキュバスちゃんが白魔道士って良い感じでやらしい

 ソレソーレ町が再稼働したのを確認し、この町を出る。

 報奨金がたんまりと出たのでリアカーを大豆用と小豆用を追加購入。ぽち用リアカーも高性能に刷新。快適生活だぜうへへへ。


「ごごごご、ご主人様。わたくしが小豆様のリアカーに乗れとおっしゃるのですか」

「そう。乗れるでしょ、仲間なんだし。リアカーは人が乗るように調整かけてあるから大丈夫。のりごたえ抜群」

「いや、そう言いましてでもですね。わたくしまだ皆様と繋がりが浅く――」


 青い顔をして必死に弁明するサキュバスのサキ。先日下僕にしたあのサキュバスだ。

 この世界だと悪魔の真名を変更させると魂レベルで拘束できるというので、ぽちで脅して真名を聞き出して変更、魂を拘束しメイドをやらせることにした。真名はド変態でしたね。言えないレベル。

 メイド服は自分で作らせたよ。白と黒、胸に折り返しがあってロングスカートの正統派。これを数着作り上げるって、結構手先が器用だね。


「――ワン!」

「あぎゃああああああ!!」


 小豆がじゃれるように声を出すとサキは気を失ってバタリと倒れた。

 大丈夫かなー。


――三〇分後――


「――いやぁぁぁぁ小豆さまぁぁぁぁ、もうちょっとゆっくりでお願いしますぅぅぅぅ」

「わふー」

「ひゃあああ速度が増してるぅぅぅぅ」

「わんわん」

「もうだめ、死ぬ、死んじゃう」


じゃれ合っていて楽しそうだ。これなら大丈夫だねっ。


ソレソーレ町の次は都市になっている所だそう。

都市まで馬車鉄道を追い抜く速度で疾走する。きっもちいいー。

走って行くとだんだんと景色が都市化してきた。

田畑は消え、森林は見えなくなり、家屋が建ち並ぶ。

家屋も進むごとにだんだんと複数階構造になっているものが増えていっく。

土では無く人の匂いがする。美味しいご飯の香りがする。胃から酒を戻す音が聞こえてくる。


まさに都市だ!


「『ヒゲソリ男爵領ソリノコ市』へようこそ! ……だってさ」


太い街道に旗が掲げられており、そこにそのような言葉が書かれている。

ソリノコシか。面白い都市だと良いなあ。


走っていると軍警察の駐在所があったのでそこで道を教えてもらい、まずは宿屋街へと赴く。

凄いな、いろんな種族の乗馬動物が馬小屋に並んでいる。それも各宿屋の馬小屋にだよ。もう馬の小屋じゃないわ。引き動物の小屋だわ。


ぽちから降りてとことこ歩くと、私の勲章を見た人が次々に敬礼や頭を下げる行為をしてくる。

これはヒゲソリ騎兵隊の人に対しての礼だよね。ヒゲソリ騎兵隊の名誉をすごく感じる。


「ヒゲソリ騎兵隊の人ならウチに泊まっていってくれよ! お代は安くしとくぜ!」

「ヒゲソリ騎兵隊ならウチが一番! 騎乗動物のお世話はどこにも負けないよ!」


宿屋の営業が盛んに飛んでくる。新宿の飲み屋さん街を連想しちゃった。

どこも悪いようにはしないだろうし、お金は結構あるしで、そこそこ込んでる宿屋「ホテル『ツインルーム』」を選択。四階建ての建物で総敷面積は結構有るんじゃ無いかな。

前払いで半年分を払い、三〇二号室を借りることにした。


「わーひろーい。ベッドも近代的でふかふかだー」

「ここなら旅の疲れを癒やせそうですねご主人様。それでわたくしめはこの都市で何をすれば。売春ですか?」

「真名において命ずる、サキは地獄のかゆみに襲われて――」

「――いやあああナンデ!? サキュバスなのに性を売っちゃ駄目なんですか!?」

「君は既に私のメイドですけど。さっさと湯を張って香水垂らしてヘッドスパの準備しな!! 私は風呂を所望する!! この部屋バスタブ付きの浴室あるんだし!!」

「わ、わっかりましたご主人様!!」


ちなみにサキからは〈癒〉の属性をもらえる。性交は快楽であり”癒し”でもあるからかな。ちょっと性について真面目に考えてしまう。


サキが用意したお風呂は完璧でさいっこうーに気持ちよかった。疲れも取れたし心もリラックス。ヘッドスパも、ついでにやってくれた整体マッサージも極上もの。

リラックスしすぎて湯の中で寝てしまったので、お着替えしてからベッドに運んでくれるサービスまで付いてた。


サキは普通のマッサージ関連やれば真っ当に生きていけるんじゃ無いのかな? あと白魔道士とか。魔力はお見事な力があるしね。私に〈癒〉属性をくれるくらいだから回復系統の魔法も数多く持ってる。

元の世界ならASMRVTuberだ。


サキちゃんチュッチュ、って言いたいけど、言うと抱きついてキスしまくってくるのが目に見えてるから言わない。ぺっぺっ。


お金も時間もあるし、魔法の訓練とかしたいなあ。でも首都までもう少しだしなあ。どうしよっかな。

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