中国アニメをつまみ食い！ in 2022~2023

『万圣街』――『万聖街』

　ジャンル：治愈（日常系）、魔幻（ファンタジー）、战斗（バトル）、搞笑（コメディ）

　おすすめ度：中国語初心者 ★★★★★

　　　　　　　中国語上級者 ★★★★★★★

　零子还有钞氏の漫画『1031万圣街』が原作の作品。

　第一期1〜12話完結済み（2020/05/27）。第二期13〜24話完結済み（2020/12/30）。第三期25〜36話完結済み（2022/04/13）。日本語吹き替え版第一期全36話（2022/12/17）完結済み。

　現代中国のとある街を舞台に、西洋のモンスターたちの日常を描いたドタバタコメディ。

　最初にあらすじをご紹介。

　心優しい悪魔・ニールは、人間界で暮らすことを夢見て、親友の吸血鬼・アイラに誘われ万聖街にやってくる。

　1031号室の同居人は、天使にミイラと“人ならざる者たち”だった。

　くせ者ぞろいの同居人との共同生活だけでも波乱万丈なのに、実はニールに魔王の力が眠っていて――。

　その力を巡って、狼人間や兄の悪魔も人間界にやってくる。

　果たしてニールは、人間界での日常生活を過ごせるのか……？！

　これは、あくまで何気ない日常のお話。

（「TVアニメ『万聖街』公式サイト」より）

　なんとこの作品、日常系アニメで有名な『非人哉』の制作会社と『羅小黒戦記』の制作会社のコラボ作品……！

　原作の漫画も『非人哉』の番外編として描かれたものらしい。

　ここで個人的な推しポイントをご紹介。

　推しポイント①：西洋のモンスターが中国で生活！？　問題だらけでも生きていけるらしい！

　原作漫画の本編である『非人哉』は中国の神仏や妖怪によるコメディだが、番外編として制作されたこちらは西洋のモンスターたちが数多く登場する。

　皆がよく知るモンスターが出てくるので、こちらの方が馴染みやすいかもしれない。

　こちらもこちらで種族の特徴を生かしてうまく仕事をこなしたり、ときどきトラブルが起こったり。

　一風変わった生活にも「ああ、そういうことあるよね〜」と謎に納得してしまう。

　おまけに謎や伏線も散りばめられており、単なる日常だけじゃないのも本作の魅力。

　推しポイント②：一癖や二癖じゃ収まらない！？　個性豊かなキャラクター！

　登場する西洋のモンスターたちはだれもがみんな個性派ぞろい。

　ここでは登場人物の一部を簡単に紹介する。

　最初に主人公のニール。

　中国文化、特にパンダが大好きなオーストラリア出身の悪魔。

　ひとりで中国へやってきた彼は友人のアイラの紹介で万聖街の1031号室に入居する。

　原型は悪魔のしっぽを持つヤギで、感情が高まると火を噴く。

　のんびりした性格の心優しい悪魔。

　次にニールの友人のアイラ。

　英国籍のヴァンパイア。友人のニールに1031号室を紹介した。

　生まれつき自由な性格で、イギリスの実家での堅苦しい生活が嫌になって逃げ出してきた。

　いたずら好きで、ニールや他のルームメイトによくちょっかいを出す。

　次にルームメイトのダーマオ。

　ロシアからやってきた人狼。

　本名はウラジミール・エリオット・キリレンコ

だが、長いので大毛（ダーマオ）と呼ばれている。

　満月を見ると狼に変身してしまう。

　太極拳やダンスに長けており、公園の広場のおばちゃんたちの人気者。

　中国にやってきたのは何か理由があるようだが……？

　最後に1031号室の大家であるリン。

　人間界で複数の博士号を持つ天使で、数年前に中国に留学している。

　現在は人類学を専攻し、学校の先生として働きながら勉強している。

　頭の光輪には浄化作用があり、汚れを落としたり、他の悪魔を元の姿に戻したりするのに使うことがある。

　宇宙人がめちゃくちゃ怖いらしい。

　その他にもたくさんいるので、ぜひアニメ本編を見て楽しんでいただきたい。

　推しポイント③：『非人哉』からのゲスト……！？　アニメに携わった豪華製作陣！

　アニメを見進めていくと、キュウゲツというキャラクターが出てくる。

　白い耳としっぽの生えたオタク気質の九尾の狐……そう、あの『非人哉』に登場する九月！！

　なんとこのアニメ、最初にも紹介したとおり日常系アニメで有名な『非人哉』の制作会社と『羅小黒戦記』の制作会社のコラボ作品なのだ。

　なのでアニメのなかにも、両作品の小ネタがしばしば見られる。

　両方とも見たことある方はさらに楽しめるかもしれない。

　ここでちょっとだけ小ネタをご紹介。

　日本語吹き替え版があるので、ぜひとも日本人にも見ていただきたい。

　ちなみにそちらの主演は山下大輝さん、福山潤さん、前野智昭さん、石川界人さんなどその他大勢。

　続編も日本語吹き替え版の制作が決定している。

　現代中国で繰り広げられる西洋風コメディ、ぜひおすすめしたい一作です！

　（記：2023/02/12）