三日目

現状報告

 官房長官:

「一昨日から続く、崎浜県丘村滝頭地区で起こっている一連の事件について、今現在までの状況を国防大臣に報告してもらいます。」


 山岡国防大臣:

「一昨日に現れたUFOとその搭乗者の『3メートルのヒューマノイド2足歩行生物』ですが、昨日午前10時13分に我々の独立ネットワークへの接触を図ってきました。」

「安全処置を施した上でダミーネットワークへ誘導し、搭乗者と思われる映像を入手しました。」

「何とか言語を解読しようと試みましたが、中々困難な状況でした。」


「しかし、午後1時7分に今度はライブ映像が入り、霊媒師のユタ花村女史の協力で搭乗者との交渉に成功しました。」

「搭乗者は我が国への移民と国民との結婚・生殖の自由を主張してきました。」

「約100億人の移住予定者と聞いて我々が回答を躊躇していると、搭乗者は一方的に我が国への侵略を宣言しました。」

「搭乗者が、ライブ映像と回線がロストしました。」


「丁度その時、午後1時12分頃に現地では空から身長約40メートルの『銀色の巨人』が現れて降り立ちUFOを掴み持って、そのまま空へ飛んで行きました。」

「午後1時35分頃、各地天文台から地球と月のほぼ中間地点での大規模な爆発が観測されました。」

「幸いにも、コノ爆発での地球軌道上にある人工衛星への影響は皆無でありました。」


「その後、2時15分頃に『銀色の巨人』が滝頭地区へ再び飛来して、現地国防軍へメッセージを伝えてきました。」

「ユタ花村女史の協力でメッセージを解読すると、

『先程の爆発はUFOを破壊した爆発で彼らからの侵略の心配は無い』

『地球は狙われている、いま宇宙に漂う幾千の星から恐るべき侵略の魔の手が襲ってくる』

わたくし銀色の巨人は政府と協力して地球外からの侵略を防衛したい』

 と、宣言して何処かへ飛び立って行きました。」


「国防省として『銀色の巨人』を便宜上、出現した地区に因み、『オカムラマン』又は『サキハマセブン』と命名したいと思います。」



「賛成!」

「是非、その名前で!」

 大声をあげて賛成したのは県知事と村長であった。



 誰かが小声で呟いた。

「セブンって何だ?」

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