零の七

 「…………ジジィ……?」

いつも通りの嫌味は聞こえない。

ただそこにはスウだった物が横たわっていた。

「……え………?は?」

零はゆっくりとスウに歩み寄る。

だがスウは答えない。

「……………なんでこんな事になった…………?」

誰も零には応えず、舞菜はただスウを抱きかかえ泣き続ける。

空気を読まず佑の祖母がエルフ星人に話しかけた。

「どうでもいいが奴は見つかったんだ。約束の金は貰うよ。」

エルフ星人はニヤリと笑い、引き金を引いた。

「我らが地球人と取り引きすると思うか?」

地下には悲鳴が鳴り響く。

だが零と舞菜には何も聞こえない。

舞菜は泣き続け、零はーーーー…………。

「…………その銃……。」

「あぁ?」

エルフ星人は振り向く。

 ほんの少し、舞菜はチラリと零の顔を見た。

それは………初めて見た本物の怒り。

「お前が………ジジィを殺したのか?」

舞菜にはわかった。 

今から零はこのエルフ星人をーーーー………。

殺すのだろう。

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