第25話 お父さんのイチゴを?
第25話 お父さんのイチゴを?
兄貴が超絶モテ期だった頃、女の子の内の一人から貰った
チョコレートを兄貴本人に差し出して
「はい、どれがいい?」
って、選択権を譲渡したら、めちゃくちゃキレられた。
「俺が貰った菓子やろうがよお!」
みたいな感じで。
BS放送でよく流れる保険のCMで可愛い女の子が
お父さんからイチゴを買って来て貰い
「いつも頑張っているから、お裾分けだよ?」
のくだりを眺めていると、冒頭の苦いやりとりをいつも思い出す。
この脚本家、演出家の家族には
超絶モテ期の兄貴はおらんかったんかい!
叱責と言うか、躾と言うか、自分に非があることを認められた瞬間に
ヒトは大きく成長が出来る。
𠮟責の伝承、同じ間違いを繰り返している子等には
何がいけないのか注意してあげんと。
残念ながら、CM少女には叱責の声は届かない。
だけど、案外、暇人はクレームの電話を入れるそうなので
同じような体験エピソードを持っている視聴者は
「ピポパポピ!」と番号をプッシュして、
チクチクリとCM関係者に苦言を吐いているかも知れない。
「お先にどうぞ!」「先に食べるね。」位は許容範囲だが
「なんで同時進行に食事を開始出来んの?」
導火線に火が灯ってしまったら、爆発は時間の問題なのかも?
怒りたいから怒る人と、相手を思って怒る人では
消費カロリーが違う気がする。
無論、思いやる方が消費カロリーはCUTされる傾向にある。
僕は家内を「横着」呼ばわりしたことがある。
か細い声で隣室から声掛けをして来たからだ。それも数回。
蛇腹戸が二枚隔たって、只でさえ聴こえ辛い。
僕は思い遣りの精神で、「横着」と言う少々鋭利な言葉を用い
彼女の怠慢を切除した。緊急オペは大成功!
それ以来、問題は起きていない。起こさせる訳が無い。
グレゴリオ暦の最も未来に書かれた禁断日記「上」 作家:岩永桂 @iek2145
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます