あとがき
まずは、「場面緘黙症」がどんな症状なのか、そして、お兄さんやお姉ちゃんの接し方から、緘黙の子とどんな風に接したらいいのか、この物語を通して少しでも理解していただけたなら、嬉しいです。
そういう私は、だいたい声を取り戻した場面緘黙症です。今年で、この症状との付き合いは約14年目になります。「お姉ちゃん」として、この物語にも登場しました。緘黙の子に伝えたいことは、全て伝えたつもりです。それでも、対応は一人ひとり違うので、実際に会って、それぞれに合ったお手伝いをしたくて、私は「夜のあさがお計画」という計画で、小学二年生から寝る前に考えてきた、この物語の舞台である「夜のあさがお」を実際に作ろうと思いました。そのために、大学に行って勉強もします。
私は、三歳のときに場面緘黙症だと分かりました。年中さんから行った幼稚園では、お弁当は食べなかったし、トイレにも行けなかったし、はじめの頃の先生はすごく大変だったと思います。私も年中の記憶はあまりありません。それから、年長になって、たくさんの人のおかげでいろいろなことができるようになりました。そして小学校に入って、話せるようになるかと思えば、そんなこともなく、一年生の一学期は毎日泣いて通っていました。そして二年生になると、一部の友達には声が出せるようになりました。それでずっと続いたらよかったのに、なぜか分からないけど、また声を出さなくなりました。それは私の人生の中でも大きな後悔です。五年生になって、周りの子が私をどう思っているのか、気になってアンケートに書いた覚えがあります。そこからは、ずっと、みんなと違うことが悩みでした。中学生になったら、話したいという思いが出てきました。卒業間際に言えたのが、「さようなら」のたった一言。それだけで義務教育を終えます。
高校は、特別支援学校にするか本気で考えました。そして高専に入学して、話せるようになって、今の高校に転校しました。いろんなことがありましたが、その度に、心の中の「お兄さん」に助けてもらっています。
最後に、場面緘黙症の人に出会ったら、この物語を思い出してください。ここまで読んでいただきありがとうございました。
夜のあさがお おきな @okina_
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