ローザさんと愉快な(?)仲間たち 前編
皆さんこんにちは。うららかな日差しの今日のこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
私、
「何、もたもたしてるのっ!これぐらい斬れなきゃ、ローザは守れないっ!」
「ぎゃぁぁぁあああぁぁぁぁああああ!!!!」
ロリっ子魔法使いに火の玉を撃たれまくってます――――――――!!
〜30分前・冒険者ギルド内食堂〜
「みんな、ちょっといい?」
異世界人の人にいきなり会うなんて無理だよ、絶対顔ひきつるよ、イヤイヤ今すぐ【編集】で私の存在消したーい!!と内心叫ぶ私をよそに、ローザさんが仲間らしき二人組に声をかける。(ちなみに、【編集】の使用はクレアちゃんに許可してもらえなかった。『そんなにポンポン
すると、ローブを着て、テーブルに杖を立てかけていた女の子が私に視線を向けて言った。
「ローザ、その子が拾ってきた迷子?」
ポンチョのような丈の短いローブを留めるのは、『魔法使い』を表す楕円形のブローチ。はめ込まれているのはローザさんと同じく
そんな彼女の目は、あからさまに私を邪魔だと言っていて、思わずビクッと震え一歩下がっていた。(←怖そうな人苦手)
……あの子、どう見ても10歳……いや、11、2歳?少なくとも私より年下のはずなのに、視線に敵意がこもってるような…………
でも顔立ちには年相応のかわいさがあり、濃い紫色の髪は
美人だから怒ってると怖いよー!
「そーそー。紹介するね、こいつはカエデ。新人の《
「は!?」
「まぁ!」
ローザさんの爆弾発言(ICBM級)に、パーティーメンバーの二人が声を上げる。
ですよねぇぇぇそうなりますよねぇぇぇ、ひえぇぇえぇぇぇ!
「ちょっと。どういうことなの、ローザ。急にメンバーを増やすなんて、ワタシ聞いてないんだけど」
「あはは、ごめんごめん。でもさーこの子、メインスキルのレベルがカンストしてるんだよ?こんな逸材、入れない方が損だと思うんだけどなー」
そう言ったローザさんに、今度は別の方から声が上がる。
「まあ!こちらの方が?ローザ様が連れてくる理由もわかりますわ」
「でしょ?いやぁ、あたしのこと分かってくれるのはリーリアぐらいだよ!」
リーリア、と呼ばれたその人は、ザ・
うわ、この人も上級冒険者………!しかも金髪碧眼のすんごい美人さんだ!?
あれ、このパーティーの美人率高くない?てかもう美人しかいなくない?え、もしかしてローザさん美人ハーレム?……………………いいなー(ボソッ)
「カエデさん、でよろしかったでしょうか………失礼ですが、お年は?」
「えっと、今年で16歳、です」
「まぁ………私とひとつしか違わないのですね。そのような若さでレベルがカウントストップするまで鍛え上げるなんて……!わたくし、尊敬してしまいますわ!」
そう言ってリーリアさんは、花の咲くような笑みを浮かべて私の手を握った。
とたん、私のテンション大暴騰。
え、何これ何これあったか!!そんでもってやわらか!!なんかもういい匂いするし顔近いしああああまつ毛も長いですねありがとうございまぁす!!!(←何が?)
と私がヲタク(というより変態?)全開な思考を繰り広げていると。
「リーリア、ベタベタするのはやめて。そいつは危険かもしれない」
案の定、さっきのロリちゃん(勝手に命名)が冷たい声で言ってきた。
「まあ、いけませんわカティア様。これから仲間になる方ですのよ?そんな言い方はないでしょう」
あ、あのロリちゃんカティアって名前なのか。
「だからといって油断はできない。無害そうな顔をして、もしローザに危害を加えでもしたら………わたしは問答無用でそいつを消し炭にする」
そう言って、ギロッと私を睨むロリちゃん改めカティアちゃん。
ひえっ怖ぁ………………ん?………あーなるほどわかったぞ、この子、ローザさんのことが大好きなんだ!
そっかそっか〜さっきのセリフもローザさんが危険な目にあうのを本気で心配が半分、突然現れたよくわかんない奴(私)にローザさんを取られちゃうのがいやだっていう嫉妬が半分と取れば腑に落ちるし………
そう思ったら睨まれても全然怖くない!むしろ可愛い!
「まぁまぁ、リーリアもカティアもケンカしないの。ほら、カエデ、自己紹介!」
「えっあっ、はい!」
あっぶな!思考がついオタクモードに………いかんいかん。第一印象、大事!
「えっと、楓と申します。
ばっ、と勢いをつけて頭を下げる。本気の想いは伝わる。いざとなったらジャパニーズ“DOGEZA”だっ!
「ねぇ」
「はいっ!?あ………カティア、さん?」
「………アナタがカンストさせたっていうスキルは、何?」
うっ………やっぱりそれ聞きますよね………
ど、どうしよ………いや答える以外の選択肢はないんだけども!でもバカ正直に言ったら雰囲気悪くなったりとか………………
『あるじー。人間、誠実がいちばんですよー』
はっ!
「ぎ、【偽装】です」
「………………………」
「ローザ」
「なぁに?カティア。………言っておくけど、あたしはいくらカティアに言われたって、カエデをパーティーに入れない、なんて選択はしないからね?」
「………分かってる。パーティーのリーダーであるアナタの意見に反対するつもりはない。でも、そいつが安全である保証もない。さっき、スキルは【偽装】だって言った。それなら、ローザを騙してこのパーティーに入った、っていう可能性だってある」
「ちょっと、カティア様………!」
「リーリアは黙ってて。……………とにかく、そいつがこのパーティーに相応しいか、テストがしたい。それがワタシからの入団条件。………良いよね、ローザ」
えっ?
そのままローザさんの方を見る。ローザさんは、腕を組んで少し考えてから口を開いた。
「まぁ………カティアがそこまで言うなら、いいよ。好きなようにやりな」
えーっ!!
「新人」
「は、はいっ!?」
氷点下の冷や水のような声に、返事の声がうわずる。カティアちゃんは、すでに杖を握りしめていた。
「容赦はしない。だから、アナタも全力を出して。………………足手まといは、ウチに要らない」
「は、はいぃ………」
なんか、今日、こんなのばっかりな気がするよぅ……………………(泣)
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