第3話 男女差別

その頃、スマホとは全く無関係な事件が起きていた。

「…………(へえ、うん、大丈夫だな。うん、おお、すごいな。場所は?…ああ行ける。うん………)あれ⁉︎⁉︎⁉︎10歳から15歳の女性のみ⁉︎⁉︎」

「じゃあお前行けないなwww」

「行けないけどさ!おかしいでしょ⁉︎男女差別だよ!!!!!!!!!!!!」

教室で、クラスの男子たちが高島たかしま照男てるおの机に集まっていた。

「何故新車見に行くだけなのに女子しかダメなんだ⁉︎⁉︎」

「さぁ?ただ女子スポーツとかでもないのに、男子は禁止は変だな」

「だよねぇ⁉︎⁉︎あーもう新車見に行きたかった!!!!!!女になりたい!!!!!!」

高島は車が好きなのだ。今度新車の発表会があるらしいが、参加は女子しかダメらしく、怒っていた。

栩義とちぎならできそうwwww」

「確かに」

皆んなは栩義とちぎ初命はつめいの方を向いた。栩義は、先祖が発明家であり、さらにその発明品の作り方を記した本も持っていた。そして手先が器用で頭も良い。

「無理」

「なんでよ⁉︎⁉︎⁉︎wwwwww」

ただ、利益が貰えることが確定していないと、協力してくれない、ケチな一面もある。高島は、同じく車が好きな女友達、飯田いいだ結衣ゆいを呼んだ。

「というわけなんだけど、どうする?」

「えぇ…、でも私は行けるんでしょ?なら行くよ」

「え??????????????????」

高島は、「高島が行けないなら私も行かない」なんて優しいことを言われるのかと思っていた。しかし、まだ2人はその域に達していないようだった。

「ああ、そう……」

「大丈夫!お土産買ってくるから〜」

「そうですか…………えぇでも、僕も楽しみにしてたんだけどなぁ〜〜?」

「だってしょうがないじゃん。10歳から15歳の女性ってところに引っかかるけどね、子供向けなのかもよ?」

「そう?じゃあお土産楽しみにしてるよ」

「うん。楽しみにしてて」

高島は、それでも俯いた。結衣が膝をついて、彼の肩を叩いた。

「大丈夫。心配しないで、私が高島のぶんまで楽しんでくるから」

「本当?」

「うん。約束する」

「……じゃあ、約束だよ」

2人は指切りをした。

「もし嘘ついたら、そうだね、まずお前の親に連絡して、そのあと家まで押しかけて、気まずい雰囲気にするからな」

「ちょっとリアルなのなんなの?まぁとにかく、大丈夫だから!」

「わかってるよwwwwwwww揶揄からかっただけ」

この2人を見て周りの男子はこう思った。

「(ドラマみたい…………)」

そんな話しかけにくい雰囲気に耐えながら、高島の友人である有島ゆうしま太郎たろうが、高島を遊びに誘った。

「どうせお前暇になったんでしょ?なら土曜日僕らとあそこ行こうよ、なんだっけ?あそこ」

「ミライ屋だろ?なんか最近話題になってる気がするけど」

「ミライ屋なんていつでも話題になってんじゃん?ってか大企業はいつまでも話題になり続けないとダメじゃん。似たようなのたくさんあんだし」

「それは言えてる。じゃあどこ集合?」

「ミライ屋の前の広場」

「OK」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

高島くん 電子生命体編 まめでんきゅう–ねこ @mamedenkyu-neko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ