様々なものを拒絶し苦悩しながら生きる男子高校生の九竜君が主人公の物語。
彼は不審者に襲われた際に、謎の美女に救われます。その女性、弦巻葵と再会し、自分を襲った存在が「吸血鬼」であることを知らされ、とある事情からそれと闘う道を選びます。
これは重厚でシリアスな現代ダークファンタジーであり、その敵と人間の熱い戦いの見所は、吸血鬼という伝統的なモチーフを斬新な視点で描いている点です。
更に主人公が抱える内面の葛藤や成長、そして彼を取り巻く人間関係の複雑さが物語に深みを与えています。
そして弦巻葵という謎多きヒロインの存在が物語に色彩を添え、読者の好奇心をどこまでも刺激します。
また、その戦いのアクションシーンの描写や最高に洒落た舌戦の緊張感は読者を引き込んで放さないでしょう。
これは正に究極のバトルダークファンタジーです。
軽く読めるライトノベルをご所望なら他へ、
骨太なバトルと、濃く且つ強いドラマをご所望ならこちらへ!
こちらは、現代の日本を舞台に、人間VS吸血鬼を主題にした物語です……
レビュータイトルにもありますが、血で血を洗うバトルが、弾け飛ぶ鮮血の臭いすらも感じさせる文体で書かれており、作者様の情熱を感じさせます。
しかし、その情熱は言葉で表すなら、赤い炎ではなく青い炎ではないかと……
冷静さを持ちつつの情熱です。
ですが、青い炎の方が熱いのです。
登場人物たちも熱血ではなく、どちらかとすれば冷血冷静……命を奪う覚悟のある人たちばかり。
そんな人物たちの戦いが面白くないわけないでしょう?
生温い戦いよりも、ガチの戦いの方が面白いに決まってます。
私と同じ考えの人は絶対に楽しめる筈。
是非、読んでみてください。
クセになりますよ!!!
分かりやすいあらすじ、素晴らしいレビューが既に沢山あるので別の切り口で失礼します。
単語で言うと重厚、シリアス、シビア、アイロニー。
色で言うとオクサイドレッド。
香りで言うとスモーキー。
味で言うとスパイシー(後味に甘みがあることも)。
以上はあくまで個人の所感ですが、このような属性を好む方には確実にハマるはず。
今時の雰囲気はありつつも流行系ではなく、キャラも作者も我が道を突き進む作品です。
キャラ視点を複数楽しめるのもポイント。
そのうえタグにある〝とんでもラスト(予定)〟。
めちゃくちゃ気になります。
ぜひ一度読んでみてください。
そしてこの重厚な世界観に溺れ、一緒にとんでもラスト(予定)にひっくり返りましょう!
※100話ほどまで読んでのレビューです。
まず御作を読んで一番に感じたことは、魅力的なキャラたちが織り成すセリフ回しです。
それはまるで嘗ての粋なアニメでも見ているかのようで、読めば読むほど我々読者をこの世界へ誘ってくれることでしょう。
もちろんバトルもスタイリッシュでカッコいいです。
ですが、敵は吸血鬼、こちらは人間。力の差は圧倒的です。
ダークでシビアな世界観は、決して甘さのない現実を突きつけてきます。
ただ、それ以上に描かれる『舌戦』が、やはり私は一番好きです。
男なら誰しもが憧れた、古き良き主人公たちが奏でる、お洒落な調べ……
そういったものを望む方には、御作は最高の時間を提供してくれることでしょう。
皆様にも一度、手に取っていただきたい作品です。
男子高校生"九竜"は吸血鬼に襲われるところを謎の女"葵"に助けてもらい、それを契機に吸血鬼との戦いに身を投じていくのであった。
第一に個人的に注目していただきたいのは、「圧倒的強者たる吸血鬼との戦い」です。
戦いは大変シビアで、吸血鬼が能力を使うのに対して、人間は銃や剣。
優勢な敵に人間が立ち向かう描写はとても熱い。手に汗握ります。
第二に好きなのが「登場人物同士のハードボイルドな掛け合い」です。
主人公九竜に負けず、女性陣もかっこいいです。剣や銃を手にして前線で戦う姿もさることながら、心を挫こうとする吸血鬼を前に気高に振舞うところも良い。「姉貴!」と着いて行きたくなります。
簡潔巧みな文章でその場面の映像が見えるようです。吸血鬼とのシビアな戦いをご所望の方、是非読んでみて頂きたい。
面白いバトル物を探してる?
ならコイツを読めっ!
・お気楽ギャグ、明るい雰囲気→皆無だ! 覚悟しろ!
(いや、実際は、ちょっとは息抜き回はあるけどさ。これ読んで明るい気分になろ〜、なんて読者は出直してください。)
・敵は吸血鬼。力が力をねじ伏せる。
拳がめりこみ、血が血溜まりとなり、時には残酷な描写もある。覚悟せよ!
・主人公が戦う組織の一員となるまで、修行パートがきっちり、ページを割かれて描かれる。心づもりして読め!
・主人公が戦う組織に新しく入隊したって、「良くきたね〜♡」とあったかポワポワ仲間が迎え……そんな現実甘くあるかいッ! というくらい、関係はシビア。
だからこそ……、隊員、一人ひとりの個性、内面が丁寧に描きだされる。
つまり、キャラが良い。
そして得られるのは、読んでてゾクゾクするような没頭感だ!
ジレジレ恋愛もある。でもそれは、珈琲にそえられたシナモンにすぎない。
描きたいのは……戦闘だッ!
血湧き肉躍る、戦闘なのである。
戦闘シーンに入ったときの、筆が踊る感半端なし!
会話が良いのよ。以下抜粋!
味方「私は初対面ですね」
敵「この前とは違うな。新しい女か?」
味方「恋人と思われてるなら嬉しい限りですね」
敵「この前よりも年が上みたいだな」
味方「愛に年齢は関係ありませんよ。殺し合いも同様に」
かっけぇ───!
戦いにおいて、こういう痺れる会話の宝庫です。
おもしろいバトル物に飢えてるそこのアナタ! おすすめですよ。
素敵なスパイスとなっている稀有な作品です。
アマルガムの繭まで読了
強者と強者が喰らい合う熱量がとてつもなく高い作品となっています。
個人的にWEB小説よりもハードカバーがとても似合う。という印象です。
物語がダーク。とは言いませんが、シリアスを基調としているため、読んで一息・・・というよりも読み始めると惹き込まれて息つく間を探すのに苦労します!
強者らしく、各々がとても癖が強い=印象に残るため、読み進める上で、だれだっけ? という事態も起こることなく文章と描写の筆力の高さと相まってノイズを感じることなく夢中になれるでしょう!
個人的に、敵味方問わず、キャラ同士の掛け合いが秀逸です。
鼻につくような言葉とならず、かと言って安すぎることもない絶妙な塩梅。
みなさんにもぜひ読んで頂きたいとお勧めできる作品でした!
序盤からレビューを書きたいなぁと、キリがいいところまで読んだら……と思っていたら100話近くまで読んでしまった内容の濃さ。魅力的なキャラクターの数々。バトルの熱さ、カッコ良さ。これはすごいですよ。
それらに関してはいまさら言う必要もないかもなのですが、私が一番イイ!と思うのは『組織』の描写が素晴らしい。
様々な人間の情緒が織りなす人間ドラマは戦いに説得力を持たせ、話の基礎を確固たるものにする。敵側にも同じ様な序列があり、こちらもまたドラマがある。
この作品は、大人がしっかり楽しめる本格的な小説です。
真夜中にお酒を嗜みながら、じっくり読むのが良いでしょう!
この作品では、現代社会の裏に潜む吸血鬼との、血で血を洗う壮絶な戦いが繰り広げられていきます。
超常の力を使う吸血鬼との戦闘は、ご都合主義ゼロで圧巻の一言です。
銃やナイフ等の対吸血鬼用の武器や、吸血鬼達の使う異能など、設定がきめ細かく、それでいて自然に文章に織り交ぜられるので、読んでいて違和感を感じません。
そもそも文章も展開も、テンポが良いです。凄くリズミカルに読み進められるので、気付いたら一話二話と、どんどん読み進めてしまいます。
かく言う私も、「今晩は少し読んだらレビュー用のコメントまとめよう!」と思って読みはじめて、気付いたら一章丸々読んでしまい、満足感で眠ってしまうといったケースが何度もありました。焔コブラ様、本当に申し訳ありませんm(__)m。
ストーリーもシリアスに寄っていて、手に汗握る展開が続きます。特に序盤を越えて以降くらいからは、容赦の無い流れが連続してきます。
主人公を含めて、甘えきった性根のキャラクターがいないのも、シリアスさに拍車をかけてますね。覚悟は決まってるけど、でもどこかに弱さが窺えると言うか、人間らしさもあってという感じで、魅力的な登場人物が多いです。
読み進めるのが勿体無いくらいの、完成された濃厚な作品でした。シリアス展開や現代ファンタジー好きの方にはぜひ読んで貰いたいです。
24話まで/「アマルガムの繭(前編)」を全て読んだところでのレビューです。
内容に関してはあらすじにある通り、また他の方のレビューにもある通りで、現代に生きる「吸血鬼殺し」の主人公がメインとなる物語です。
とにかく努力を重ねて頑張る主人公を応援したくなるのは無論、自分が特に引き込まれたのは登場人物達の「台詞」でした。
一言一句考え抜いた上での台詞なのか、実は勢いのままに書いた結果なのかは知る由もありませんが、台詞の節々から登場人物達の内面が垣間見え、作品の奥深さを感じられました。
読むかどうか一瞬でも迷ったら、まずは読んでみることをお勧めします!!
現代ダークファンタジー物ですが、かなり厳しめの設定となっております。
人間社会に溶け込む吸血鬼達と戦う秘密組織のお話。
人間側は敵に通用する武器を持っていても等身大の力しかないので、それはもう犠牲者が大量生産されていきます。
味方サイドにもそれなりに強い人はいますが、そんなのお構いなしでいつも人間は不利。
チートな能力?オレTueeeeな存在?御都合主義な展開?
そんなの人間の命が紙くずのようなこの世界が許してくれません。
世間に認知される事もなく、世間から賞賛される事もない。
それでも「人を侮るな!」と言わんばかりにただ愚直に、諦めず、貫き通す姿。
人間の敵を許すな!牙を突き立てろ!と奮闘する姿は、この暗い暗い世界を照らす微かな光。
ぜひ彼らの活躍をご覧ください。
尚、蚤のような心臓しか持っていない私はいつもハラハラされっぱなしです 笑
ダークファンタジーの香り漂う現代ファンタジーです。
舞台は異世界ではなく現実。ただし吸血鬼と死闘が繰り広げられる世界。
まず作品全体を包み込むかのような、ダークな雰囲気がかっこいいです。
それは吸血鬼という圧倒的な敵の恐ろしさであり、主人公の少年『九竜朱仁』や仲間たちが抱える心の痛みでもあります。
バトルものですが、なぜ戦うのか? 命とは? 絆とは? といったテーマを深掘りしていきます。キャラクターたちの葛藤が、物語により一層、重みを与えていると言えるでしょう。
修行シーンや心理描写もしっかり書き込まれています。そしてバトルシーンも圧倒的。武器も体術もかっこいい。
といっても最強主人公がスカッと敵を倒したりは、絶対しません。
とにかく吸血鬼は、絶望的なほどに強いのです。圧倒的強者です。そこに立ち向かっていく勇気と決意は並大抵のものではありません。
安易な勝利ではなく、己と向き合う硬派なバトルを読みたい方におすすめです!!
吸血鬼と吸血鬼殺しの人間との戦いの物語です。
この世界の人間達も、復讐など戦う理由がさまざまあるらしいですが、敵とはいえ、自分と同じ知性を持った生物を殺す事に躊躇したり、勧誘されても訓練についていけなかったらボコボコにされたりと、生死を掛けた戦いという世界観に、かなーりリアリティがあり、ダークです。
(悪運はかなり強いが不幸な目に遭いやすい主人公の九竜くんは、頭が良くて観察力・推理力に優れた子です。が、彼も例外なく過酷な世界でチートとかなど無く、結構ボロボロになっている。)
主人公を勧誘したお姉さんの正体とか、敵の吸血鬼との因縁とか、九竜くんの実のお姉さんの謎とか、読んでいくうちに沢山の謎や伏線が張られており、読者を飽きさせません!!必ずワクワクしながら読み進められることでしょう!!
あと、レビュータイトルにもありますが、女性陣が強くてカッコいい!!!そういうのが好きな方にもオススメです!
本作は、懸絶した力をその身に宿す吸血鬼と、それを滅ぼす人間達の戦いの物語です。
あらすじやキャッチコピーの雰囲気でだいたい察せられるとは思いますが、「怪物どもをぶち倒してスカッと爽快!」などという物語では、残念ながらありません。どちらかというとハードでスタイリッシュな、夜の領域に属する系統の物語です。
びしりと決まる上手い形容が思いつかないので雑然と並べたてる形となりますが、思うにこれは、夜のような翳りと、熾火のような熱と、血風のような残酷さと、鋼鉄の如く揺るぎない信念と、雨が立てる波紋みたいなゆらぎと、いつだって気の合わない友人のように背中へへばりついた死と断絶の。
そうしたものの物語ではないかと感じます。非常に具体性を欠いていますが。
物語そのものは吸血鬼退治を骨子に据えた非常に王道のものなのです。だからというべきなのか、私にとって特筆すべきは、その物語から放たれる「空気」なのです。
硬質で、乾いて、くすんで、それでいて確固たる輪郭と骨子を備えた物語の空気です。
まずどうか紐解いてみてください。
願わくば、腰を据えて向かい合ってみてください。
刺さると、なかなかに酔えますよ?
――と。
思うに本作は、そんな装丁の物語なのです。