第6話 8月 中学生以上「あのころはフリードリヒがいた」
2022103015:21
8月は小学校のお話会はありません。
が、夏休みの宿題で読書感想文がありますよね。
昔、小学校の夏の読書感想文でアンネ・フランクの子供用の本を買ったことを思い出しました。完全版でない「アンネの日記」は小学校の時に読んだ。イスラエルに移住するユダヤ人少女の半生を書いた本は中学生の時に。アンネが後一歩のところで生き延びてハッピーエンドだったらどうなったのかと思って読んだ。「アンネの日記完全版」は大人になってから。
「あのころはフリードリヒがいた」
岩崎少年文庫
ハンス・ペーター・リヒター作
本に載っている作者紹介
ドイツのケルン生まれ。社会心理学者。児童文学者としては、「メリーゴーランドと風船」などの可愛らしい作品から出発し、1960年代に、ヒトラー時代の自らの経験をつづった
「あのころはフリードリヒがいた」
「ぼくたちもそこにいた」
「若い兵士のとき」
三部作を次々に発表した。
この三部作は図書館では児童コーナーに置いてあります。
本の裏表紙に“対象年齢 中学以上”と。
昔、小学校の課題図書で『野火』大岡昇平を読んだと思っていたのですが、わたしの記憶違いで実際は中学校だったのか?
読み聞かせ本に、悲しい結末の話は小学校3年生から、とあります。
「あのころはフリードリヒがいた」は生まれた頃(1925年)〜17歳(1942年)のお話。主人公ぼく、にはユダヤ人のフリードリヒという友達がいた。
「ぼくたちもそこにいた」以下は裏表紙の文。
”優等生のハインツ、時代の流れに素直には従えないギュンター、そして〈ぼく〉。ヒトラー・ユーゲントに入団した三人のドイツ人少年が経験したことは?戦争へ突入していく日々を淡々と描く。”
目次は分かりやすく、西暦が章のように書いてあり、その後に話名が「選挙」「新入団員」「入隊前の軍事教練」「空襲」「学童疎開」「徴兵検査」などとあります。後ろには年表も。1933年から1943年のお話。
日本の中学一年生の国語の課題図書になったりしたんですね。
「若い兵士のとき」戦争が始まった時に主人公は14歳。終戦時、二十歳。三年間主人公は軍人だった。“17歳で入隊してから二十歳で敗戦をむかえるまで、〈ぼく〉が実際に参加し体験した第二次大戦の生々しい姿”が書かれています。後書きに訳者がドイツの著名な研究者から言われた言葉は。「リヒターはあの三冊を書いて、筆を折っている。あれはそういう作品なんだ」。正確にはこの後もまだ少しは出ているが、それらは別のテーマの小品とか、編者としの出版物だ、と書かれていました。
「あのころはフリードリヒがいた」
フリードリヒとその一家が主題だけど、ぼくの視点でぼくの生活も合わせて書いています。もしフリードリヒ視点だったら、読むのがもっと苦しいだろうと思った。読んでる自分は1943年2月のスターリングラードのドイツ軍敗北で希望が見え、1945年5月には、場所によってはそれより前にユダヤ人が解放されると知っている。けれどドイツ軍占領下のユダヤ人はラジオを供出させられたり、収容所などに居て情報が入ってこない人もいる。
この本を読んでいるとユダヤ人(だけではないけれど)がナチスの巧妙な計画の元、次第に追い詰められていくのがわかる。
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