第3話 サポートユニットと本当の祝福

僕が再び目覚めると、見知らぬ男女がいた。


そして、僕は何故かこの男女が僕の両親だと直感で分かった。


親が子供を直感で分かるのと同じものだろうか?


見た感じは20代前半……やせ細っているから老けて見えるだけかもしれないから、もしかしたら10代後半かもしれないな。


どちらにしても前世の僕よりは年下だろう。


せっかく生まれた子供の中身が、年上の精神を持っているというのは申し訳なくなるな。


……それにしても、予想通りだか。



両親の話している言葉が全く理解出来ない。


新しい異世界言語を習得しなければいけないのか……。


『それに関しては問題ありません』


『ん?』


そう言えば、さっきから視界内に小さな光が飛んでいたのだが、そこから女の子の声が聞こえてきた。


これは女神と話した時と同じ様に頭で話したいと思った内容が伝わるやつだな。


『念話になります。他の人には聞こえないので安心して下さい。それと、私はサポートユニットとしてアテナ様より派遣された低級天使、サリエラエルです。アテナ様に代わりカイン様のサポートをさせてもらいます』


『ああ、女神が言っていたサポートユニットか。宜しくね……サリウラ……ごめん、なんだっけ?』


『私の事はサリとお呼びください』


『うん、宜しくねサリ』


サリはよく見ると、長い金髪に碧眼で小さな羽を生やし、ローブを着た可愛らしい小さな天使だった。


『それでは、早速サポートを開始します。まずは【ステータス】と念じて下さい』


『分かった』


【ステータス】……


ピコン!



【ステータス】

【名前】カイン・シュバルツ

【レベル】1

【祝福】バットエンド

    リタイア

    タイムアップ

【権能】神の眼

    レベルシステム

    レベルアップ特典

    成長強化プログラム《15歳まで》

    浮遊移動3歳まで


『おおっ! ラノベに出てくるみたいなステータスだな』


視界内に半透明なボードが見えている感じだが、不思議と視界の邪魔にはならない。


ステータスと通常の次回は別枠みたいに、同時に別の視界が脳内で処理されている様な不思議な感覚だな。


『この【ステータス】を見るのもアテナ様が下さった【神の眼】の効果です。普通の人には無いので気をつけて下さい』


『そうなんですね』


オタクは【ステータス】というのが見えるだけで、自然とやる気が出るのは不思議なものだな。


女神はその辺が分かっているのかもしれないな。


『次は【神の眼】を使い、【ステータス】内にある詳しく知りたい単語に意識して下さい』


『更に詳細が分かるの?』


『はい』


どれどれ……



【バットエンド】ダンジョン内限定で、ダンジョン突入時に死に戻り。


【リタイア】ダンジョン攻略が半分まで達成したら脱出する事が出来る。

      ダンジョン内で亡くなった仲間の意志を引き継ぐ。


【タイムアップ】規定時間を超えたらダンジョンからの強制退室。

        ダンジョン内では成長加速。


【神の眼】物事の本質を見る事が出来る。

     

【レベルシステム】モンスターコアを吸収する事で、独自の成長が出来るシステム。


【レベルアップ特典】レベルアップ時に貰える特典。


【成長強化プログラム】ミッションクリアによる成長プログラム。


【浮遊移動】子供が歩く速さで、浮いて移動出来る。


『おお、なんか凄いな……祝福もダンジョン内限定ばかりだけど、かなり優秀だったんだな。それにレベルアップシステムはゲームっぽいのもやる気が出るな』


『アテナ様が苦労されレベルアップシステムを作っていました。ちなみにレベルシステムもこの世界の人にはありませんが、人により【祝福】が成長したり進化したりはするみたいです』


『なるほど……まあ、僕の【祝福】は成長しようが無い気はするから関係ないか。それでダンジョン強制転移っていつなの?』


『アテナ様が調べた限りでは1ヶ月に1回で、ダンジョンのクラスはS級からF級。好きなクラスを選択出来るみたいです。F級ならば私だけでもカイン様を守りながら攻略出来るらしいので、最初はF級のみを選択して下さい』


『了解』



これなら何とかなるのかな?

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