第41話 シスターの訪問

 マリアが部屋に入るなり雰囲気を察して口を開く。


「あら、みんな神妙なお顔でどうしましたの?」


 ブラウズは事情を説明すると、マリアは納得して頷いた。


「そうでしたの。それにしてもブラウズは相変わらずなの」

「マリアも変わった様子も無くて何よりだ。それで、何があった?」


「折角来たばかりなのにブラウズはせっかちなの。ここに来た理由は、また神からの神託を頂いたから。本当に丁度良かったの」

「どんな言葉をもらったんだ?」


「魔物の発生源の場所を示す……お言葉を頂いたの」

「場所はどこにあるんだ、教えてくれ! 今後の安全のために倒しておきたいんだ!」


 ブラウズはマリアに責めるような口調で聞いた。

 そんなブラウズを見て少し震えるようにマリアは答える。


「そんなに強く言われても困るの。ブラウズは怖いわ」

「お父様、そんなに強く言ってはマリアが可愛そうです」


 ブラウズが言葉に詰まって、頭を下げた。


「す、すまない、マリア。場所を知ってると聞いて焦ってしまった」

「いいえ、私も少し勿体ぶった様な話し方をしてしまったの」


 マリアも頭を下げる。

 そして、一呼吸おいてからこう口にした。


「場所は、お城の地下というお言葉だったの」


 その言葉で君は少しだけ思い出す。

 白衣の男が君に語りかけている場面が記憶から引き出された。

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