第40話 魔物がいる場所は

 ブラウズに伝えた。


「そうだったな。ドラゴンは明らかにアッシュを狙っていた。だが、理由が分からない」

「私とお父様で誘導していたのですが、アッシュを見つけてから誘導を無視してそちらに移動していました」


 話を聞く限り、君を見つけてから直進していたのは間違いない。

 だが、君はドラゴンを見ても恐怖を感じなかったのだ。

 どうにかして還してあげたいという思いが強く感じていた。


「また同じような魔物が出る前に、根源を断ちたいんだが……アッシュは心当たりはないか?」


 ブラウズが君に問いを投げてくるが、君は首を振るしかなかった。

 心なしかシェルも少し残念そうな顏をしている。


 その様子を見て君は魔物について考えた。

 最初に魔物を発見したのは下水道だった。

 倒しても湯水のように湧いて出てくる白い渦は根源だともいえるだろう。


 やはり発生源を考えれば下水道を探してみるべきかもしれない。

 君はブラウズに話そうとした時、外からコンコンとドアをノックする音が聞こえた。立ち上がるシェルを止めてブラウズが外に向かう。


 そして、戻って来たブラウズと一緒にいる人物はマリアだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る