日本は島国なれど孤島にあらず、大いなる潮の流れは老将を翻弄する

日本は島国ですが、孤島ではない。
そう、強く感じさせてくれる逸品です。

源氏による平家打倒の口火となった、以仁王の乱。
その陰に何があったのかを、思いもよらない角度から、非常に大胆な解釈で魅せてくださいます。
驚くような話ではあるのですが、確かにあの時代、そういうことがあってもおかしくはなさそう……と感じずにはいられませんでした。
そして「説得力のある独自解釈」は、まさしく良質な歴史小説の醍醐味。

私事ですが、ちょうど同程度の時期に公開した、同じくらいの時代を舞台にした拙作に関して「拙作は御作の「裏側」になってる」というコメントをくださったのが非常に強く印象に残っております。
そのおかげで、私個人にとって、本作は非常に……「身近」と言ってしまうとだいぶずれる気もするのですが、距離の近いものとして感じられました。遠いと思っていたところが、実は裏表だったとは!

個人的事情はさておき、よいものを見せていただきました。
ありがとうございました。

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