第16話 ぽつりと吐いた弱音
大臣との対面が終わり私とリートは宿泊してる宿へ戻った。
「お疲れ様でしたお嬢様。この後はどうされますか?」
「そうね……街に出るのは……面倒だから辞めておくわ。食事も……今日はいらないわ。」
「かしこまりました。では外に居ますので何かあれば声をかけてくださいねお嬢様」
「えぇ……リート」
「なんでしょう?」
「貴方は……いえ何でもないわ。下がって良いわよ」
「……失礼致しますお嬢様」
彼はそう告げたあと部屋から出ていった。一瞬出そうになった本当の言葉。【貴方は怖くないの?】だなんて…言えるわけが無い。この復讐劇は半分はこの世界に住む吸血鬼達のためであってもう半分は私のわがまま。本当は私一人で終わらせるつもりだった……なのに私は弱いから。ごめんなさいリート私は貴方に頼ってばかり……
「お父様……お母様……あとどれ位頑張れば皆の所に逝くことが許されますか……なんて。バカみたい……」
私は小さく呟いたあとゆっくり目を瞑った。予定を早めて明日にはあちらに戻るのもいい。ここは居心地は悪いけど嫌では無い……そんなことを考えていれば私の意識はゆっくりと深みへ落ちていった。
外で私の言葉をリートが聞いていたとは知らずに。
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