第14話 吸血鬼の住む世界

あの取引から数日が過ぎ私とリートは吸血鬼達の住む裏の世界……オスクリタへ戻ってきていた。私は辺りを見渡しため息を吐き「早く宿へ行くわよリート」と告げ歩き出した。



数十分歩き目的の宿へたどり着き「あの大臣との会食は何時からだったかしら」とリートへ問いかければリートは懐中時計を見たあと「18時からになりますお嬢様。」と告げてきた。私は壁掛けの時計を見たあと「まだ3時間もあるじゃない……」と呟いた。


「少し早く着いてしまいましたね。」


「えぇ……ところであの神父……ソアレだったかしら。彼は教会に報告するかしら?」


「どうでしょうね。もし報告した場合は契約違反とみなしますが……」


「まぁ教会に報告……というよりあのローアルとかいう神父には口が裂けても言えないでしょうね。彼……ソアレはローアルを狂信しているように見えたわ」


「狂信……ですか」とリートが告げたあと17時を示す鐘の音が鳴り響いた。私はちらりと時計を見たあと「話は一旦終わりね。リート支度をするわよ」と告げ軽く伸びをした。リートは小さく笑みを浮かべ「かしこまりましたお嬢様。」と返事をして頷いて見せた。



準備を終え私達は宿から大臣が住む屋敷へ向かおうとした途中ある会話が聞こえてきた。


as tu entendu?なぁ聞いたか?


quoi ?なにを?


「|Il paraît que la fille de l'exemple est rentrée à la maison《例の娘が帰ってきたらしい》」


その言葉を聞いたリートは小さく舌打ちをしたあと「お嬢様気にする必要はありません。行きましょう」と告げてきた。私は小さく頷いたあと「そうね行きましょう。リート」と告げ歩き始めた

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