第13話 仕留めた混血
数十分後、リートが連絡した神父……ソアレが数人の神父を引き連れてやって来た。神父は私たちを見るなり「何故吸血鬼が……」「ソアレさん本気ですか!」「この害虫共……!」などと告げてきた。私はため息を吐き「どうして彼らを連れてきたのかしら?」と問いかけた。ソアレは「ちょうど見回りの最中だったんだ」と答え、地面に伏してる混血を見たあと取り巻きである神父に指示を出し混血の吸血鬼は連れて行かれた。その様子を見たあと私はリートに指示を出しリートはそっとお金の入った袋をソアレへと差し出した
「……これが報酬か?」
「あら金額にご不満?貴方達の給与の3倍はある筈よ?」
「それが問題じゃあない!」
「何か問題でも?」
「この金の出処は?一体誰の金だ?」
「あぁ……そんな事?簡単よ。ノクス卿からよ」
「なっ……何故お前がその方の名前を……」
「
私たちフローレス家とノクス卿の家は代々密接な関係だもの。この世界と私たち吸血鬼が住む世界を繋ぐ者としてね。」
「フローレス家とノクス卿の家は先々代……いえ、それ以上も前から契約をしているんですよ。内容は……秘密ですが。」リートがにこりと笑みを浮かべながら言えばソアレはキッと私たちを睨みつけたあと踵を返し教会へと戻って行った。彼の背中を見つめたあと私はリートの方へ向き「これで少しは自由に動けるわね」と告げた。リートはこくりと頷き「さぁお嬢様。もう夜は冷えます。屋敷に帰りましょう」と問いかけてきた。私は軽く伸びをしたあと「そうね……帰ったらあちらの大臣に手紙でも書こうかしら。」と呟いた。
あの赤い神父……ローアルがこの取引の現場を見ている事も知らずに……
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