第3話 純血の吸血鬼と人間の大臣


暫くすれば日が傾き始め目的の人物に会う時間が近づいていた。私は伸びをして一言「リート」と呼んだ。するとすぐに「お待たせ致しましたお嬢様」と告げてリートが現れた。私は笑みを浮かべ「もうすぐ時間よ。ヘアセットをお願い」と告げればリートは頷き私の後ろへ立った。


「どのようになさいますか?」


「簡単にまとめて頂戴。それに合わせて服も考えるわ」


「かしこまりましたお嬢様」そんなやり取りを終えたあとリートは私の髪をハーフアップにまとめ、毛先を緩く巻いてくれた。私は立ち上がり「ありがとうリート。」と告げて部屋のクローゼットを開け少し悩んだあと黒のスカートに薄いピンクのトップスを選び手早く着替え部屋の前で待っているリートに「お待たせ。」と告げた。




着替えも終わり私はリートが運転する車に乗り街並みを見ていた。「どこもかしこも教会のマークばかりね……」と小さく呟けばリートは「えぇ。ですがお嬢様には関係ありませんよ」と告げてきた。その言葉に私は瞬きをしたあと笑みを浮かべ「そうね」と答え目的地のある場所へ向かった。



数十分後、リートは車を停め、「お嬢様着きましたよ」とドアを開けながら告げた。私は小さく息を吐いて車から降り「行くわよリート」と告げて周りの視線を気にせずにある人間が居る部屋へと向かった。

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