第6話回想の終了

ともかく、私たちの運命力は私たちで起こせる、ということです。だだデメリットが非常に多いです。


1つ、私たちの思い描いた結末が起こるとは限らない。

つまり規模が分からないのです、それこそ何がおこかも。ただし今回私がしたように指定して確実に実行をすれば可能です。


今回彼らに与えた希望はお願いを聞いていただけたら全員でご飯を食べに行きましょうということです。その程度であの奇跡を起こせるのであればご飯くらい行きます…まぁ面倒ですが。


2つ、指定していなかった時のデメリットです、彼らの幸運、不幸は人によって価値観が違います。


例をあげれば頭に鳥の糞が落ちました、それに対し『うわぁ、最悪。頭洗わなきゃじゃん』という不幸の感じ方と『最悪、もう、死にたい』という不幸の感じ方は度合いが違います。


それによって発動する奇跡も絶望も違います。

私たちはそれをコントロール出来ないのです、先程も言いましたが規模が分からないということは指定しなければ私があの中の人と付き合う、または結婚してしまうという奇跡を起こしてしまう可能性があります。


なので事前に私は『ご飯に行くだけなのでそれ以上はダメですよ?くれぐれも希望を持たないでくださいね?皆で仲良くご飯を食べまましょ?』と釘を指しました。


そして最後です。連鎖反応をするということです


あなたの亡くなってしまった両親も最初は単なる偶然の不幸に見舞われてしまった。それがあなたがいることによって勝手に運命力の引き金が引かれてしまい、さらに不幸になり、またそれで引き金が引かれ、最終的には亡くなられたということです。


説明は以上です、いかがでしたか?



ーーーーーーーーーーーーー


「うんめい、りょくはコントロール出来ない…」


「はい、私の実験上きちんと指示しそれ以上は無いと決めれば問題はありませんが人間の感情までコントロールするすべは無いのでそこでどう感じどう思うかなんて私たちには分かりません」


「おれは、やっぱり、じゃまなのか」


「そういうと思いました、なので対策を考えた…というか実際確信をしました」


確信をしたということは何処かで夏目が実験を立証されたということになる。しかし、先日の事件、その前の日を遡るも志希には心当たりがまるでない


「実験はあなたが寝込む前です」


「??」


寝込む前、と言うと


(もしかして、珍しくゲームのレアアイテムでたやつか!)


久々に出たな、このアホ頭。死にかけても治らないとはもうもはや無理である。


「はぁ、あなたって結構わかりやすいですね。どうせ馬鹿なことでも考えたのでしょう」


「ばかとは、なんだ」


いやそこは否定できないのではないだろうか、ドロ率まで操れたらもはや神様である


「その口調も、表情も作りすぎです。まぁ私も似たようなものですが」


(え、バレてんの?あの痛いのも?痛いのバレてる?はっっっず!)


「ふふっ、あなたってわかりやすいのね」


「?その、口調は?」


「あなたの前くらいで作っているのがバカバカしくなったのよ、いいわよね?」


それはともかく説明を対処法を教えていただきたい、それによって志希の人生が決まると言っても過言では無いのだ


「対処法は…私たちが一緒にいることよ」


「さっきの説明を聞いておかしいと思わなかった?なぜ、春野さんや水原さんが何も起こらなかったか」


「あ」


そう、春野は志希に怒鳴り散らかし、水原に至っては殴る蹴るなどのことをするという、まさに負の感情MAXの状態であったにもかかわらず何も起こっていない。


「クラスでもそうよ、あなたに対して不幸や負の感情を向けているものしか居なかったはずよ。それにはきちんとした理由があるのよ」


「たまたま、とか?」


「はぁ、あなたきちんとした理由って意味知ってるかしら。何でこれが全教科満点の1位なのかしら…」


ほんとである頭の善し悪しとアホで馬鹿なのは関係ないらしい。


「私が同じクラスにいることによって私には善の感情があなたには負の感情が、それによって私の【幸運】【不幸】が相殺されているのよ」


「なる、ほど」


つまり夏目と志希の力の強さは一緒であり、規模感も一緒であれば納得はできる


「つまり私たちが常に、とは言わないわ。ただそれに近い程度一緒にいればある程度は被害を軽減できる、ということよ」


「だけど、俺と夏目が一緒にいたらそれこそ妬みや嫉みで負の感情が向くんじゃないか?」


「それがあなたの素?それにしてもだいぶ喋れるようになったのね」


「まぁ、だいぶマシかな」


素を出し始めた志希に対して夏目は少しずつ心を開いているのか微笑見ながら話を続ける


「それに関しては問題ないわ、学校に私は彼から唯一生還したので私が近くに入ればもしかしたら少しでも抑えられるかもしれないので全校生徒に説明だけお願いできますか?と言っておいたの、なるべく可愛い顔でね」


「うわぁ、そこで奇跡使うのかよ…」


「失礼ね、そのくらいしないと死人のひとりやふたりじゃ済まないわよ?」


確かにそうである、たとえ一人だったとしてもしても学校に登校すれば夏目を殺しかけたと言うだけで沢山の負の感情が向けられるに違いは無い。それもとても強い負の感情が、そうなってしまえば勝手に引き金は引かれる。その結果どうなるかは考えたくもない事件になるだろう。


「つまり、、同棲するわよ」


「は?」



どうやらアホなのは2人ともなのかも知れない


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