第5話そして回想
突然だが志希の高校はまだ作られてあまり時が経っていない、創立20年の校舎だ。
その校舎は全部で4階建てとなっており高さ13〜14mくらいであろう。
さて、人間はどの程度の高さが限界か分かるだろうか、答えは5m程度だ
しかし打ちどころが悪ければ2m程度でも死ぬ可能性は十分ある。
本題に戻ろう果たして14mから女性が落ちたらどうなるだろうか。
「は?え?おい!」
まだ創設20年にも関わらずフェンスがその部分ピンポイントで崩れるなんてことは有り得るだろうか、まさに奇跡だが起こって欲しくは無い奇跡である。
またしても、不幸が訪れた
「おい!嘘だろ?ふざけんな、なんで、なんで…」
「おい、やくもぉぉぉぉ!」
「ふざけないでよ!あんたと美亜ちゃんが一緒にいるせいで!…そんなことしてる場合じゃない!美亜ちゃんのところに行かなきゃ」
突如見ていたであろう2人、水原は普段の大人しさとは違い鬼の血相で志希に掴みかかり、春野は叫びちらし、泣きながら階段を降りていった。
(あぁ、またやったんだな俺は)
「おい!ふざけんな!なんでお前はとめなかったんだ、お前といると死ぬって自覚してるだろ!なんで、なんで…」
「だまってんじゃねぇよ!何とか言い返せよ!」
水原は非力ながら志希を殴り始めた。殴る、噛む、蹴る、それが数分かそれとも数十分か、時間なんて分からない。ただ志希の目は昔のように光が無く、虚ろに。口は何も発さず、ただその時をすごしているだけ。
「ふざけんな!ふざけんな!」
「もう…やめとけ…」
「お前まで、しぬぞ…」
(こいつまで、死んでしまう…早く、行かなきゃ)
そうして、殴られ続けたあと彼はそう言い残し屋上の出口へと向かっていった
「何してるんですか?話、終わってませんよ?」
聞き覚えのある透き通ったソプラノボイス、凛として、そして優しいひだまりの様な声色
見たことがある、いやここ数日見続けていた、嫌でも見てしまっていた人影。
片目はほぼ見えておらず、もう片方の目ははもうほとんど霞んでいて、出血が酷くほとんど何も聞こえていない、全身青あざだらけであろう、歩くのでさえましてや立つことすらろくに出来ていない体をその人影に向けた。
そして、掠れて、ほとんど出ないような声を絞り出して発した
「なつ、、め?」
「まったく…何を言っているのか分かりませんよ」
恐らく微笑んでいるであろう彼女は誰よりも優しい声色で言った
「はい、夏目、夏目美亜ですよ」
それを聞いた志希は意識を手放した。
それは果たして安堵からかそれとも出血量が多いからか、はたまた両方なのかは彼しか知らないが笑って倒れたという
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「ぁ、ぁぁ、ここは…」
「おはようございます、遅いお目覚めですね」
「無理して喋らなくても大丈夫ですよ、処置の結果貧血、喉が潰れて、全身打撲に加え脳震盪だそうです」
(たしか、水原に殴られてそこから…俺は)
「気絶?と言っていいのかは分かりませんが意識を手放しっぱなしでもう2日間あなたは寝ていました」
「そん、なに、か」
「では聞きたいことが沢山あると思いますので順を追って説明しますね」
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まずは水原さんと春野さんのことが1番気にかけていると思いますのでそちらから。
私が昇降口に向かっている間に血相を変えた春野さんと出会いました、あれこそ顔面蒼白?鳩が豆鉄砲を食らったような表情?それとも鬼のような形相?ともかくとてもすごい顔の彼女と出会いました。
え!なんで何事もなくあるっているの!?と言いたげな表情の彼女に痛くなかったですよ?と言った時の顔、当分はあの表情の春野さんはは忘れられませんね
ここ、笑うとこですよ?
と、まぁそれは置いておいて。あの下には10人程度に集まっていただき大量の布団やクッションをたくさん持ってきていただくように事前に頼んだのです。
なぜ、とでも言いたそうですね。そしてここであなたの頭には【?】が、いっぱいでしょうね。
わたしはあの場所が崩れると確信していました、そして私が生存できるとも
あなたと私は幸運の奇跡と不幸の奇跡を起こせます。
ここで2つ目私たちの力、運命力とでも言いましょうか。
え?名前がそのままだ?そんなの、今つけたからに決まっているじゃないですかなら今度ちゃんとした名前をつけてください
この説明では私たちを銃身で例えます、とてもわかりやすいですからね。
あなたが殺した、というのは心外でしょうがそれで通させて頂きます。あなたが殺した方々は全てなにかに【絶望】している方ではありませんでしたか?それは伝染したのも含めて、です。
そうですね、少しあなたの事を調べさせて頂きました。あなたが最後に殺した家族はお父様が勤めていた会社が倒産。お母様は不倫相手に裏切られ賠償金を多額支払う羽目になってしまったりしたという情報を聞きました。
この事象は全てただの偶然にはすぎません。なぜならここまで起て続いたのは初めてではありませんか?
そうですよね、しかし人間は何かしらにふと【あー、運ないな。不幸だ】と思う瞬間があるのです。それは誰にでもあります。もちろん私にも
そして私たちの運命力が発動する条件は不幸だ、幸せだと思っている人に対して私で言えば私に幸せという感情、あなた対して不幸だと思った瞬間に発動します。
つまり、私は【希望】を向けられた時
で、あなたは【絶望】を向けられた時
ここで銃身のたとえを思い出してください
彼らは弾丸
私達は引き金
なので今回私が無事だったことの理由は彼らに、まぁ、、ええ私はモテるので伊達に2大美少女と言われてません。その私に会える協力出来る、あわよくばこれから接点が増えるかもという希望を与え【奇跡】を起こしました
。
ちょっと、何言ってんだこいつ見たいな顔しないでください
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