スーパー

「なんか、頼もしいなおまえ。

きっと、素敵な嫁さんになるんだろうな、、」


そんな言葉がふっと口をついて出た。


ヒナタが、足を止めた。


「と、当然じゃないっ」


「ん?」

「どうしたんだ、おまえ、顔真っ赤だぞ」


「な、なんでもないっ。

シンジ、ほら、早く行こう。お買い得品売り切れたら嫌だから」


ヒナタが俺の腕をぐいと引っ張り、

早足を促した。


俺は頷き、二人してスーパーへの道のりを急いだ。


程なくしてスーパーに到着し、

ヒナタと俺で食材を選び、

会計を済ませた。


俺一人ならそんなに買えなかったと思うけど。

ヒナタがいたおかげで、

安いものが色々買えた。


多分、母さんより、ヒナタの方が買い物上手かもしれないと思った。


帰り道。


「シンジ、荷物持ち宜しく」


「ええええー俺がふたつも?

ヒナタが荷物持ちなんじゃなくて?

荷物持ちは、私ねって言ってた気がするけど」


「んもー、何言ってんの。男なんだから当然でしょ。私は荷物持ちは私ね、なんて言った覚えはありませーん」


「ううう」


「それでも、私なりにシンジの好きなおかずが作れそうなやつを選んだんだからね」


「え、俺の?」


「そ、そうよ。

私が作ってあげるんだからね、

これから。

肉じゃがくらい作れるんだからね??


「マジ?

もしかして、俺のため??」



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