雑多で突発的な詩

荷車の春

たばこから、なぐれる雲は理性だと、

彼をオケアノスの大河の西の果て、岸辺に誘う光風はスクブスの慫慂しょうようだと見ている。


私の体は紙巻の莨で、情熱的な炎に燃やされては、悦楽えつらくの海に盛んな火口ほくちをつけられて、止まぬ東風こちの乾きを促す声に聞かされる。


「お前は寒がりだったね、暖かい処へ旅をしないかい?例えばそう、チフリスはどうだい。あすこの葡萄酒ぶどうしゅの、飲むを止めれる者はいまい、きっとすぐにサラマンドラの毛が生える。」


私はそれに拝跪はいきして叫ぶ


「口に蜜を塗りたくり、私を彼方へ誘う貴方にはもう触れたく無い!私は知っている、貴方の口はグリュプスのくちばしで、腹に持つ鉤爪かぎづめの、湖畔に映る波打つ三日月は岸辺に生まれたものだと!」


東風は、幼児の水の肌で私のももにそっと手をかけ、

そして香をいて私の内側から入り込んでくる


「祝賀の予定を貰ったんだ。お前の母さんが、お前をナザレトで待っているらしい。お前はずっと母さんが好きだったね?ナーサリーライムが耳に残っているだろう。


お前の作った、鈴蘭すずらんと、焼けた苧環おだまきをあの人はまだ持っている。次はお前が持つ番なのさ、受け取りに行こう」


東風は銀の黒い鍵を持って、沈箱じんばこの蓋をそっと開ける。

彼女は私の満席の弱みに空席を作り出し、旅をしようと座り込んでは話しかける。


そこに先立った理性が、私の元へ戻ってきて言うのだ

「ウラジオの夢をみよう!街灯は月を成し、雪は雲を成すあすこでは、君は天の住人だ」


縮まる莨は灰の涙で感涙にむせぶ。

雲は西へ飛び、莨は踏まれて捨てられた。

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