ナナ

 日差しがテントの隙間から差し込み、私は目を覚ます。

 眠れない……と思っていたけど、気がついたらいつの間にか昨日は眠っていた。

 目が覚めてすぐに気がついたけど、ルーファはもう起きて、朝食を作っているみたいだった。

 ルーファだけにやらせるのはあれだし起きようとするけど、フィオとナナが眠っているはずなのに離してくれないってのと、朝が弱い方だから単純に眠くて、寒いから起き上がれない。二人がいるから暖かくはあるんだけど、二人が少しでも離れると寒い。

 でも、起きないとルーファ一人に全部やらせちゃうことになっちゃう。この前の野営の時も朝はルーファに任せちゃってたし、早く起きないと……そう思いながらも瞼が閉じていく。

 




「ユア、朝だよ」

「……もうちょっと」


 私がナナにそう言いもう一度眠りにつこうとすると、ナナの息遣いが荒くなってきていた。


「ハァ……ハァ、ユアぁ……んっ」

「ちょ、ナナ?! な、何やって……」


 私がそう言い切る前に、ナナが突然私の服の中に潜り込んで来た。

 いや、ほんとに何やってるの!?


「ま、待って、恥ずかしいから。ほんとにそんな所入って来ないで」

「あ……ご、めん……」

「ナナ?」

「き、急にこんなことして気持ち悪いよね……ごめん、もう、しない……から。ちゃんと我慢する……から」


 私の服の中から出ると、悲しそうに、申し訳なさそうに、嫌われてないかを確かめるように、涙目になりながら謝ってくるナナ。


「気持ち悪いとかは思ってないよ。ただ、急だったからびっくりしただけで……嫌、とかではないから、恥ずかしさはもちろんあるんだけど、それだけっていうか、ナナがしたいなら……してもいいよ?」


 なんで急にナナがこんな情緒不安定になったのかは分からないけど、私は正直な気持ちをナナに伝える。


「ほら、お、おいで?」


 そう言って私は少しだけ服をめくり、ナナが入ってきやすいようにする。顔が燃えるように暑いし、恥ずかしさで涙が出てきそうになるけど、それを我慢しながら。


「い、いいの?」

「私がおいでって言ってるんだから、いいよ。ナナが嫌なら別だけど」


 と言うか嫌じゃないなら早く来て欲しい。この格好でいるのが恥ずかしいし、今の顔はあんまり見られたくない。


 ナナは恐る恐るといった感じで、さっきのように服の中に入ってきた。

 

「……匂い嗅いでいい?」

「ッ……好きにして」


 匂いを嗅いでいるナナの頭を私は服の上からゆっくり撫でた。そうしているうちに私はいつの間にか眠っていた。


「ユアぁ……好きぃ……」

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